テレワークにおけるコミュニケーションの課題とは?課題解決のポイントを解説

近年さまざまな目的でテレワークが進むなか、多くの企業で課題となるのが社員同士のコミュニケーションの取り方です。出社スタイルと比べて、テレワークでは情報共有に関する不安やコミュニケーション減少による生産性の低下、メールやチャットなど文字だけでのやり取りでは意図がなかなか伝わらない、などのコミュニケーション上の課題が多く出てきます。

そこで本記事では、テレワークにおけるコミュニケーションの課題とその解決方法について解説します。

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テレワークにおけるコミュニケーションの課題とは

テレワークは一般的にオフィスに出社せず、自宅やサテライトオフィスなどからリモートで勤務します。

オフィスで働く場合と比べて、近くに相手がいないため気軽に声をかけにくいなどの違いがあります。Web会議やチャットツールなどを使ってやりとりをすることが多いですが、それでもコミュニケーションの機会は減少する傾向にあるといえます。

総務省が発表した「ウィズコロナにおけるデジタル活用の実態と利用者意識の変化に関する調査研究の請負報告書」によると、テレワークを実施するにあたっての課題として、17.8%が「社員同士のコミュニケーション」を挙げています。また、10.8%が「上司からの確認・指示を得にくい」ことを挙げており、この調査結果からコミュニケーションの取り方に難しさを感じていることが見て取れます。

次項よりテレワークのコミュニケーションにおける課題について、具体的に見ていきます。

作業の進捗を把握しにくい

テレワークでは、ほかのメンバーの仕事の進捗状況を確認しにくいという問題があります。

上司からは部下の勤務態度や仕事の進捗が見えにくいため、「何にどのくらい時間をかけているのか」という疑問が生じやすくなります。そのため部下の仕事の評価がしにくくなったり、つまずいていることに気づけなかったりという事態に陥ることあります。

コミュニケーションが業務に関係したものに偏ってしまう

テレワークでは時間を決めてミーティングを行う、チャットにより業務報告を行うなど、限られた時間でコミュニケーションをとるため、業務に関係したものに偏る傾向があります。

一方、オフィスで勤務する場合は、朝に顔を合わせたときや休憩時間などに社員同士で雑談をする機会が得られるため、気分のリフレッシュや仕事へのモチベーションの向上だけでなく、人間関係の構築に繋がることもあります。

また、直接顔を合わせて話ができる場合は、相手の表情や反応などから感情や意図を読み取ることができます。そのため説明や指示が不足していることに気づきやすく、不足していると感じた場合は言葉を補うことができるでしょう。しかし、テレワークではチャットに書かれた文章から相手の感情、また意図についても読み取らなければなりません。指示が正しく伝わっていない、勘違いをしていた、といった行き違いが起こりやすく、トラブルに発展することもあります。こういったトラブルを避けるため、簡潔に業務上の会話のみにとどめるといった傾向も出てきます。

社員同士の会話が業務に関係したものばかりに偏ると、意思疎通に不自由さを感じ、モチベーションや業務の生産性低下を招くこともあります。

社員が孤独や不安を感じるきっかけになる

テレワークにおける勤務では、社員が孤独や不安を感じやすくなります。

同僚や上司にチャットで質問しても、その内容が相手にきちんと伝わっているか分かりにくかったり、人によっては質問をして良いタイミングの判断が難しかったりするからです。

ひとりで作業を進めることから、業務上分からないことがあってもなかなか相談しにくいため、不安感や孤独感を募らせるケースも珍しくなく、それが離職につながることもあります。


*テレワークの課題について、こちらの記事も合わせてご覧ください。

関連記事 リモートワークの課題とは?課題を可視化して現状と理想のギャップを埋める

テレワークのコミュニケーション課題の解決方法

テレワークにおけるコミュニケーションの課題を解決するには、社員同士の業務進捗や予定をオープンにし、コミュニケーションの機会を増やす必要があります。以下、具体的な方法を提示します。

業務の進捗状況や予定を可視化する

グループウェアやタスク管理、勤怠管理システムなどを使用すれば、社員の業務進捗やタスクの状況の可視化を実現できます。

社員同士がお互いにどのような業務に取り組んでいるのか、現在の進捗状況はどのような状況か、課題となっているのは何かなどをシステム上で共有できるようになるため、誰が何をやっているかが明らかになります。特にチーム作業の場合は、プロジェクトメンバーごとの業務スケジュールや作業進捗・資料を把握できるといいでしょう。ほかのメンバーや上司からのフォローもしやすくなります。

コミュニケーションの機会を増やす

テレワークにおいては、オンラインでのコミュニケーションの機会を積極的につくるよう心がけましょう。例えば、Web会議システムを使った昼食会や懇親会の開催、ビジネスチャットに雑談用のチャットルームを作成するなどの方法があります。

Web会議を通しての懇親会は、お互いの顔が見えるため意思疎通がしやすくなり、雑談用チャットルームでは気兼ねなく業務以外の会話ができます。こういったコミュニケーションは気分転換や社員同士がお互いのことをよく知る機会になるため、チーム内の関係性が向上し、結果的に生産性がアップするといった良い効果につながるでしょう。

そのほか、定期的に上司との1 on 1ミーティングの機会を設けることも関係性構築、業務のフォローアップに役立ちます。業務上疑問に思うことの相談をしたり、仕事の進め方のヒントを得たりなど有益な時間になるでしょう。

コミュニケーションルールの設定

コミュニケーションを取るにあたりルールを設定することも、テレワーク環境下での課題を解決する方法のひとつになります。

例えば、「複雑な内容の質問であればWeb会議で話す」「緊急性の高い事柄は電話でやりとりする」等、自社に適したルールを制定することです。社員のテレワーク下のコミュニケーションに対する不安解消につなげることが目的になります。


*こちらの記事も合わせてご覧ください。

関連記事 ハイブリッドワークとは?メリットや注目すべきポイントを解説

関連記事 ワークスタイル変革による成長戦略の立案とは?生産性を高めるためのポイントを解説

テレワークでのコミュニケーションの工夫ポイント

テレワーク環境でのコミュニケーションを円滑にするためのポイントとして、以下の2つが挙げられます。

チャットの対応

チャットを使用する場合は、質問や意見に対してなるべく早くレスポンスするよう心がけます。反応が早ければ、やりとりが円滑になることが想定されるためです。しかし、相手に同じ速度のレスポンスを求めることはプレッシャーを与える恐れがあるので、避けたほうがベターです。

スケジュールの積極的な共有

テレワークでは、ほかの社員がどのようなスケジュールで動いているのか見えづらく、コミュニケーションのタイミングをうまくとりづらい傾向にあります。お互いの予定を積極的に共有することで、スムーズなやりとりにつなげましょう。

テレワークでのコミュニケーションの課題は業務スタイル改善で解決しよう

テレワークのコミュニケーションにおいては、相手の状況や予定が分かりにくいため質問をするタイミングが計りづらい、コミュニケーションが業務関係のやりとりのみとなる、などの要因による孤独感の誘発やモチベーションの低下などの課題が挙げられます。

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公開日 2023年05月15日

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