都市の未来像!スマートシティを進める自治体一覧

私たちの暮らしをより便利に、より快適にするスマートシティに向けて多くの自治体で取り組みを進めています。理由はテクノロジーの進化によって、多様な暮らしに対応できる持続可能な社会が求められているためです。スマートシティの取り組みは、持続可能な社会の実現に向けたもっとも効果的な解決策として、政府や自治体、企業が協力をしています。

本記事では、スマートシティを推進する自治体を紹介します。各自治体の取り組みが未来の暮らしにつながる大きな手掛かりが見つかるかもしれません。

スマートシティに取り組んでいる関係者の方は、ぜひ参考にしてください。

スマートシティとは

スマートシティとは、新しい技術を使って、都市が抱える問題を解決し、人々の生活をより良くする考え方です。

エネルギーや交通などのさまざまな部分を効率的につなげ、みんなが快適に暮らせるまちを作ります。近年では、テクノロジーの発展により、多くの分野に技術が広がり、全体的な解決が期待されています。スマートシティの理念は、未来の都市づくりにとって欠かせないものとして、世界中で取り組みが実施されているのです。

スマートシティが注目されている理由とは?

取り組みが注目される理由は、世界の人口増加とエネルギー効率化の必要性にあります。世界では、今後30年で20億人も人口が増加する見込みとなっており、エネルギーの効率的な供給は急務です。

また、日本では人口減少と都市部への人口集中などの問題解決のため、スマートシティが期待され、日本でも注目されています。

社会のさまざまな課題を最先端技術で解決できる可能性があるため、スマートシティは注目されています。

スマートシティとスーパーシティの違い

スマートシティとスーパーシティの違いは、以下の2つです。

  • 定義
  • 目的

そもそもスマートシティは、ICTなどの最新技術を活用したマネジメントの高度化で課題を解決し、新たな価値を想像し続けるという定義です。Society 5.0の先行的な実現の場とも言われています。

対してスーパーシティは、住民が参画し住民目線で2030年頃に先行実現されることを目指します。

目的も異なっており、スマートシティは一人ひとりに寄り添ったサービスを通じてウェルビーイングの向上を図ることです。対してスーパーシティは、まるごと未来都市を目指してデータ基盤を軸にさまざまなサービスの提供を図ることです。

スマートシティとスーパーシティは、定義・目的の側面で異なります。


令和5年度のスマートシティ関連事業に選定された32の自治体・34の関連事業一覧

内閣府や総務省などの連携により、スマートシティの推進が全国で進んでいます。内閣府・総務省・経済産業省・国土交通省が連携し令和5年度のスマートシティ関連事業として、32の地域と以下のような関連事業に分けた34の事業が選定されました。

そこで以下では、各地域でどのような取り組みが進むのか、具体的な内容について紹介します。


未来技術社会実装事業

未来技術社会実装事業とは、新しい先導性と横展開の可能性を持った優れた提案に対して社会への実装に向けた総合支援をする事業です。

AIやIoT、自動車運転技術など最新技術を活かした地域経済の活性化を目指しています。地方公共団体から公募して採用された提案は、5年で実装を目指しており、並走型の支援をしてもらえます。


福島県須賀川市

福島県須賀川市では、翠ヶ丘公園の自動車運転サービスの導入を目指しています。

翠ヶ丘公園では、駐車場からの起伏が激しく移動が難しいという課題がありました。さらに中心地区に活気が足りないことも問題になっています。自動運転技術を活用することで、駐車場からの移動が便利になり、中心まちにもアクセスしやすくなるでしょう。

翠ヶ丘公園はこれらの取り組みで、高齢者と障害者に優しく、利便性が高い都市公園を目指します。


和歌⼭県橋本市

和歌⼭県橋本市では、人材不足や財政状況の逼迫により、ごみ処理関連事業のサービスの品質継続が難しい状況にあります。さらに、ボランティアに支えられていたゴミ収集活動も、人口減少や少子高齢化によって参加者が減っています。

そこで、廃棄物バイオマスの収集事業と廃棄物バイオマスの資源化事業を実施。クラウドコンピューティングやIoTなどを活用して、ごみの収集運搬の自動化やごみの資源化の情報発信などに取り組む予定です。

これらの取り組みで、市民が資源の分別を実施して、環境資源を次世代に引き継ぐまちづくりを目指しています。

地域課題解決のためのスマートシティ推進事業

地域課題解決のためのスマートシティ推進事業は、総務省が実施している事業で、地域が抱える課題の解決や地方創生を実現するために必要な経費の一部を支援します。都市OSや連携するサービスの整備費などを一部助成してもらえるものです。

令和5年度は、5つの地域の提案が選定されています。

1.神奈川県横浜市旭区/⼀般社団法⼈コンパクトスマートシティプラットフォーム協議会

神奈川県横浜市旭区では、ICタグビーコン活用スマートシティサービスの提供に取り組んでいます。ICタグビーコン活用スマートシティサービスとは、スマートフォンの扱いが難しい高齢者や児童に対してICタグビーコンを提供し、スマートシティサービスを提供しやすくするシステムのことです。

ICタグビーコンを普及させることで、誰でも必要な情報にアクセスでき、必要であればサービスを受けられる環境が整います。見守りサービスやモビリティサービスの提供を考えており、活用の幅は広がっていきます。

2.愛知県岡崎市

愛知県岡崎市は、データ活用の課題を抱えています。データニーズを抱えた人がすぐに確認できる環境が整っていない課題がありました。

岡崎市では都市OSを導入して、データニーズ駆動型スマートシティ構築事業を展開していきます。各所にあるデータを集約し、必要な場所へ提供できるよう整備も実施しています。アナリストや大学、研究機関がデータを参照できるサイトの整備などを進めていて、データ需要に応える環境を構築し、さらなる発展が期待できるでしょう。

3.和歌⼭県有⽥市

和歌山県有田市では、防災や子育て、健康分野でそれぞれアプリを提供していますが、連携しておらず、利用しにくいという問題がありました。

そこでデジタルプラットフォームを構築してアプリと連携させて、サービスの拡張を狙っています。市民はデータ連携することで、同じ情報を何度も登録する必要がなくなり、利便性が高まります。さらにアプリだけではなく、ポータルサイトを整備して、誰でもデジタルサービスを利用しやすい環境を整えていく予定です。

4.熊本県

熊本県では、少子高齢化や若年層の都市部への流出が問題になっています。そのため、くまもとDX推進データ連携基盤構築事業を実施して、生産性の向上やサービスの品質向上を目指しています。

熊本県では、デジタル庁が推奨する「FIWARE Orion」を活用した基盤構築を実施。市町村と共同利用で、負担軽減を図りながら、データを使ったサービスの提供に取り組みます。

5.沖縄県南城市/株式会社テクノ・スクエア

沖縄県南城市では、島全体のコミュニケーションツールの欠如や伝統の追い込み漁の存続問題、漂着ゴミの長期間に渡る放置が問題になっていました。

そこで南城市はスマートアイランド事業を提案。島OSを導入して、ドローンやAI、LINE通知システムを活用した課題解決に取り組みます。住みやすい島づくりを目指し、地方創生に取り組んでいきます。

地域新MaaS創出推進事業

地域新MaaS創出推進事業とは、新たなモビリティサービスの社会実装と高度化を目指して、課題解決に先進的・横断的に取り組む提案に対して委託事業として支援をします。MaaSの取り組みは共通課題も多いため、事例を創出し、より取り組みやすくする狙いもあります。

今回は8つの提案が選定されました。


1.千葉県館⼭市・南房総市/凸版印刷株式会社

千葉県館⼭市・南房総市では、交通課題の解決に向けて、地元の交通事業者と連携してマイナンバーカードを活用した決済システムの検討を実施しています。さらに最新の交通情報などをマップ上に掲載し、公共交通機関の利便性にも取り組みます。

これらの取り組みを実施していくことで、持続可能な移動サービスを提供できるようになり、市民の利便性も向上するでしょう。

2.新潟県新潟市/BIPROGY株式会社新潟市スマートシティ協議会

新潟県新潟市では、クローズドデータの連携基盤を通じた、データ活用の実証を実施しています。まち中への移動や活動の情報発信をする地域アプリでデータ提供の同意を市民から得た後に、データ連携基盤で連携し、分析に活用。地域共創事業体設立準備委員会による事業化・横展開の際に活用されます。

これらの取り組みで、新潟の経済と産業の発展を目指しています。

3.静岡県焼津市/合同会社うさぎ企画

静岡県焼津市では、移動と交流の連鎖による地域活性化の評価・検証を実施します。

グリーンスローモビリティと呼ばれる時速20km未満で走行できる電動車サービスを展開します。グリーンスローモビリティの活用で、各観光地や飲食店にお客様が足を運びやすくなります。実際に交流も生まれることで、どのように地域活性化につながるのか見ていく取り組みです。

以下の3点を指標に評価します。

  • 移動需要と交流・経済効果
  • 市外ビジネス客の行動変容
  • 市外ビジネス客と地元客による一連のサービス

4.三重県多気町・⼤台町・明和町・度会町・⼤紀町・紀北町/三重広域連携スーパーシティ推進協議会

三重県の6町では、医療MaaSの省人化・効率化及び中山間地での地域拠点形成の検証を実施しています。

医療分野では、実際にオンライン診療をしていましたが、未活用で看護師が現地に行ってサポートしていました。さらに、中山間地域に住んでいる住民は中心まちに行く手段が少なく、自家用車に頼りがちな問題もありました。

医療分野では、搭載機器を選定して人的コストの削減を検討しています。中山間地域の交通については、中心地から各種機能を搭載したサービス車両を集結させて、ボランティアによる輸送を実施して利便性向上を目指します。

5.奈良県川⻄町/中央復建コンサルタンツ株式会社

奈良県川西町では、交通と健康、拠点の共創によるウェルビーイング向上を目指しています。

デマンド型タクシーを導入して、外出の機会の増加や健康増進を狙っています。同時にアプリを導入して、ポイントを利用・付与するシステムを開発してより活用しやすい仕組みづくりを実施。

これらを運用して、サービスの効果や事業の持続可能性を検討していきます。

6.岡⼭県吉備中央町/有限責任事業組合吉備中央町インクルーシブスクエア

岡山県吉備中央町では、公共交通のAIコンシェルジュの構築に向けた実証実験と分析を実施しています。

高齢や学生など公共交通機関を多く利用する人々の利用履歴や、健康カルテのデータを活用して、移動の最適化したモデルを立案して実証をしていく計画です。さらに吉備中央町に誘客した顧客を安全に案内するシステムを構築して、利用者数増加を目指します。誘客施策も考えており、LINEやきびアプリ、イベントなどを実施していく予定です。

7.福岡県/株式会社日立製作所

福岡県では、複数の交通事業者が持つデータを統合して移動サービスの最適化と調和を検証する取り組みを実施します。

交通データを活用することで、交通事業者は利用者の拡大が見込めて、商業施設事業者は新たなマーケティング施策の立案などが検討できます。移動サービスの最適化によって、住民の利便性向上を図っていく取り組みです。

沖縄県八重山諸島(⽯垣市・⽵富町)/株式会社オリエンタルコンサルタンツ
沖縄県八重山諸島では、フリーパス型観光MaaSの構築とMaaSシステムの開発・推進に取り組みます。

具体的に取り組むのは、持続可能な料金体系の検討やイベントと連携したMaaSシステムの開発、実証実験後の検証などの施策です。地域の公共交通機関や事業者が連携したフリーパス型の観光MaaSモデルケースの完成を目指し、観光事業への貢献を目指しています。

⽇本版 MaaS推進・⽀援事業

⽇本版 MaaS推進・⽀援事業とは、地域が抱える課題を解決するMaaS事業に対して支援をする事業のことです。支援を実施することで、地域課題の解決の一助となるMaaSの全国普及をする狙いがあります。支援事業の要件は課題が明確であることや、サービスとデータが連携することで一体的にサービス提供されることなどがあります。


群⾺県前橋市/前橋市新モビリティサービス推進協議会

群馬県前橋市では、市民の移動データを活用したMaaS高度化事業を展開していきます。

前橋市では、公共交通の財政負担や通勤・通学での公共交通機関利用割合の低さなどが課題になっていました。そこで、市民の移動実態を可視化して、得られたデータを分析。ニーズに合った交通網の作成や支払い、デジタルフリーパスの販売などを手掛けていきます。

神奈川県横須賀市・北海道札幌市・旭川市/全⽇本空輸株式会社(Universal MaaSプロジェクト)

神奈川県横須賀市・北海道札幌市・旭川市の地域が取り組むのは、障害者や高齢者など移動サポートなしでは移動できない方の課題を解決する事業です。

今までは、サポートを必要としている方への対応は自治体や地域によって異なっており、利用者・事業者ともに負担になっていました。プロジェクトでは、サポートを必要としている方が各事業者に一斉に連絡できるシステムを導入し、誰でもストレスなく移動できるまちを目指しています。

愛知県春⽇井市/⾼蔵寺スマートシティ推進検討会

春日井市では、MaaSアプリと交通結節点を連携した「気軽におでかけできるまち」の実現を目指しています。

春日井市では、移動手段の多様化や高齢化による住民の移動への不安、バス乗車券販売窓口の縮小問題がありました。MaaSアプリを活用し、高蔵寺ニュータウンで運行されている交通サービスを一つのデバイスで操作できるように変えていきます。

事業への取り組みが進めば、回遊性向上による地域の賑わいも見込めるでしょう。

三重県菰野町

三重県菰野町では、のりあいタクシーを長距離利用者がつかっており、その他使いたい方が利用できなかったり、交通情報を必要なタイミングで提供できていない問題がありました。

すでに導入されているおでかけこもの乗り継ぎ案内機能を追加し、乗合タクシーの配車時間の短縮を目指します。さらに公共交通機関を利用した案内の提示などを実施します。

菰野町では、上記の対策で利用者の利便性向上に取り組む予定です。

⼤阪府・京都府・兵庫県・奈良県・滋賀県・三重県・和歌⼭県および愛知県の⼀部/関⻄MaaS協議会

⼤阪府・京都府・兵庫県・奈良県・滋賀県・三重県・和歌⼭県および愛知県の⼀部では、関西MaaSの機能高度化事業に取り組んでいます。

関西MaaSとは、2023年夏頃にリリースを控えているサービスです。経路の検索機能などの交通機能や観光に関する情報の提供、電子チケットシステムを提供できます。2025年の大阪・関西万博に向けて、観光需要促進をメインに高度化を推進しています。

福岡県・⻑崎県・佐賀県・⼤分県・宮崎県・熊本県・⿅児島県・沖縄県/九州各県MaaS実⾏委員会等連絡会

福岡県・⻑崎県・佐賀県・⼤分県・宮崎県・熊本県・⿅児島県・沖縄県では、九州広域のMaaS推進事業を展開しています。

すでに配信しているMaaSアプリのmy routeを活用して、お出かけ情報や観光イベントの発信、購入や利用に関するデータの取得、他アプリとの連携を進めます。これからの移動需要の増加を図り、ニーズに応える交通ネットワークを提供する予定です。

国⼟交通省スマートシティ実装化⽀援事業

国⼟交通省スマートシティ実装化⽀援事業とは、地域のスマートシティ実行計画をもとに、データや新技術を活用した都市サービスの実装に取り組むプロジェクトを支援する事業です。条件は、民間事業者と地方公共団体を含むプロジェクトであることや、スマートシティ実行計画を策定して公開していること、早期に実証から実行ができる事業であることなどです。

都市が抱える課題を解決して、新たな価値を創出するため、13の地域が選定されました。


1.福島県会津若松市/会津デジタル防災協議会

福島県会津若松市では、命を守るデジタル防災プロジェクト事業を展開予定です。

デジタル防災アプリの危険箇所の投稿権限を選定・拡張して、データの充実化を図ります。さらに危険箇所を回避するルートを提示するシステムも導入し、住民が安全で効率的に避難できる仕組みを整えていく予定です。現在は、個別避難計画作成と自治体・支援者の連携実装やミクロ情報を活用したルートの提示と、避難計画の高度化などを実施しています。

会津若松市では都市OSを導入して防災に限らず、食品やモビリティ、決済、廃棄物など12の分野で包括的にデジタル化を推進しています。

2.埼⽟県さいたま市/⼀般社団法⼈美園タウンマネジメント

埼玉県さいたま市では、駅を中心に誰もが移動しやすいスマート・ターミナル・シティさいたまの実現を目指しています。移動手段の多様化を図るため、シェアサイクルやシェアスクーターなどの実装も検討中です。

移動手段の多様化だけではなく、モビリティデータを活用したエリア拡大やステーションの最適化なども検討されています。令和6年に実装を目指した事業です。

3.千葉県柏市/柏の葉スマートシティコンソーシアム

千葉県柏市では、まちと病院の情報システム連携事業に取り組んでいます。

病院の待ち時間が課題になったことから、まち全体を病院の待合室にする構想を立ち上げました。柏市が計画している待ち時間を減らす仕組みは、以下のとおりです。

  • 1. 駅周辺から患者様が自分のスマートフォンで受付
  • 2. 病院の周辺施設で過ごして過ごす
  • 3. 受付時間に病院に行き、診察してもらう

待ち時間を有意義に使ってもらうためにまち情報との連携を実施して、病院にも向かいやすいようモビリティサービスの提供も計画しています。病院とまちのインフラを連携させる事業です。

4.東京都千代⽥区/⼤⼿町・丸の内・有楽町地区スマートシティ推進コンソーシアム

東京都千代田区では、大丸有スマートシティプロジェクト エリマネDX実装化事業が展開されています。

2030年のSDGs達成に向けて、イノベーションとテクノロジーを融合させた仕組みを構築していく予定です。都市OSを導入して、一体化されたサービスを提供し市民のQOL向上を目指していきます。

5.東京都⼤⽥区/⽻⽥第1ゾーンスマートシティ推進協議会

東京都⼤⽥区では、生産年齢の現象や非接触サービスの需要増加などの対応に課題がありました。

そこで、羽田空港跡地第1ゾーン整備事業を展開します。空間情報データ連携基盤を構築し、新たな技術を活用したサービスを提供。ロボットの活用はもちろん、交通や観光、医療のデータを収集し活かすシステムを構築します。実際にロボット走行の安全性を考慮した実証などが進められている取り組みです。

6.東京都渋⾕区/シブヤ・スマートシティ推進機構

東京都渋谷区は、回遊性の向上に向けて、FUNコンテンツの提供やデータの利活用を目指しています。

まちに来る人々の流れや趣味嗜好、行動データを収集し、イベント情報を発信して誘致を狙います。さらに、データ基盤や空間プラットフォームを活用した空間の活用拡張なども実施しているのも特徴です。これらの取り組みを実施し、効果の検証や施策の有効性を検討していく事業です。

7.新潟県新潟市/BIPROGY株式会社新潟市スマートシティ協議会

新潟県新潟市では、まちの活性化が課題で、回遊率を上げる必要がありました。

そこでデータ利活用インフラとサービスプラットフォームを実装します。まちなかの大規模イベントの参加者のアプリを活用して行動データを取得し、回遊シミュレーションで分析します。すると次年度の賑わい施策の立案に役立つのです。最終的には、回遊率を向上させて歩きたくなるまちづくりを目指します。

8.⽯川県加賀市/加賀市地域公共交通活性化・再⽣協議会

石川県加賀市では、交通機関の利用と効率性の向上を図るために、AIオンデマンドの導入と遊休車両の活用による移動課題の解決実証に取り組む施策を提案しました。

AI技術を活用して交通手段の役割にもとづいた体制の構築化を実施し、旅館や企業などが稼働していない時間の運転手の活用をします。さらに、MaaSアプリの連携で、利用数1.5倍を目指していきます。加賀市全体の移動手段の強化を狙った施策です。

9.愛知県岡崎市/岡崎スマートコミュニティ推進協議会

愛知県岡崎市では、まちの利便性向上と人流の創出に向けてリアルタイムデータを反映したデジタルサイネージの活用実証を提案しました。

デジタルサイネージには、混雑情報と空いている場所の情報、災害が起きたときの避難誘導が提示されます。まちなか誘導では、サイネージ付属のカメラで年齢層を判別し、それぞれに合った情報を提供するシステムを構築します。取得したデータは、他の分野にも活用されていく予定です。

10.三重県四⽇市市/四⽇市スマートリージョン・コア推進協議会

三重県の四日市市では、四日市スマートリージョン・コア推進事業が推進されています。四日市市には、以下のような課題がありました。

  • まちなかの賑わい増加
  • 暮らしの質の向上
  • 交流人口の増加
  • 防災機能の向上

これらの課題を解決するべく、中央通りのパブリックスペースの活用やスマート図書館の整備、スマート街頭の設置などに取り組みます。

11.兵庫県加古川市/かこがわICTまちづくり協議会

兵庫県加古川市では、誰もが豊かさを享受できる加古川スマートシティの推進事業を展開しています。

周辺自治体との連携で、広域防災データの利用に関する検討やPLATEAUを活用した危険運転の検証などを実施します。交通や防災の面で安全性が確保されるまちづくりが特徴です。

12.和歌⼭県すさみ町/すさみスマートシティ推進コンソーシアム

和歌山県すさみ町では、観光拠点・防災道の駅中心の複数分野における高度化・自動化事業を展開します。

すさみ町では、南海トラフ地震や大雨、高齢化、人口減少による人手不足、災害発生時の観光客への情報発信などが課題でした。そこで、PLATEAUとドローンを活用した空路の設定やポータルでの情報発信を実施して、安心安全なまちづくりを実施しています。さらにICT技術を活用した自動化・効率化施策も進めています。

13.熊本県荒尾市/あらおスマートシティ推進協議会

熊本県荒尾市では、位置情報活用によるセキュリティ見守り事業の提案をしました。

近年の大規模自然災害の増加や、登下校中の見守り対応の人手不足に対応するためにシステムの構築を目指しています。GIGAスクールタブレットを導入して、現在地の把握や登下校管理を実施します。さらに出欠席管理や状態チェック、安否アンケートなど保護者とのやり取りもできることもメリットです。安心して児童が登下校できる環境づくりに努めています。

【令和3年】スーパーシティに応募した31の自治体一覧

ここからは、スーパーシティに応募した自治体一覧を紹介します。

自治体名 提案内容

福島県会津若松市

すでにスマートシティに取り組んでいる会津若松市では、スーパーシティへの取り組みも進めています。ICTや都市OSの重要性が共通認識となった会津若松市で、2つ目のステップとしてスーパーシティを推進しました。分野横断型のサービス提供や地域・市民・企業が連携したまちづくりを目指しています。

北海道更別村

「世界一長寿の村 100歳以上の人口100人の村へ」という目標を掲げ、スマート農業や生体認証の実装を進めていく構想です。

岩⼿県⽮⼱町

「⼈⽣100年時代を健幸に暮らすフューチャー・デザインタウン」という構想のもと、介護サービスの提供や中心まちと農村地の格差解消などを狙っています。

宮城県仙台市

「仙台市×東北⼤学スーパーシティ構想」を立案しました。大学と民間企業、行政が協力して、人とのつながり・パーソナルヘルスケア・ロボットとの共生・エネルギー自立分散・マイクロモビリティの5つの軸で、トランスフォーメーションを推し進めていきます。

秋田県仙北市

「しあわせな未来のいなか」をテーマに、市民の利便性と安全を考慮したサービス、地域産業の活性化や魅力向上に向けたサービスを展開。観光事業にも力を入れて、市民が安心安全に生活できるまちづくりを目指しています。

茨城県つくば市

「つくばスーパーサイエンスシティ構想」の名のもと、取り組みを進めています。行政や移動、物流、医療、防災・防犯などの分野で最先端サービスを実装し、移動の自由と健康な自立を実現した社会を目指す取り組みです。

群⾺県前橋市

「前橋めぶくグラウンド構想」をテーマに掲げ取り組みを進めている地域です。パーソナライズされた交通の提供や誰でもアクセスできる医療や福祉の提供など、人のつながりと心が豊かさ、誰でも使えることにフォーカスした取り組みを意識しています。

神奈川県鎌倉市

鎌倉市の構想は「『共⽣みらい都市』〜世界⼀Well Beingの⾼いまちKamakuraの実現〜」です。地球環境と社会活動が寄り添う次世代コミュニティの構想を目指しています。

神奈川県⼩⽥原市

小田原市は「小田原市スーパーシティ構想」を掲げて、地域課題の解決に取り組んでいます。病院のスマート化や日本最先端の教育環境、実装実験を完備したラボを設置し、技術開発の活発化も目指しています。

⽯川県加賀市

「『e-加賀市⺠制度(加賀版e-Residency)』導⼊による観光都市『⼤聖寺⼗万⽯』の再興」をテーマに実施しているプロジェクトです。国内外の人材を受け入れるなど、アジャイル型のまちづくりに取り組んでいます。

⻑野県松本市

松本市は「世界に先駆けるスーパーシティ松本」を提案しました。サスティナブルな医療・福祉・健康づくりと100%カーボンニュートラルな自律分散型まちづくりをかけあわせて、市民と地球の命を守る取り組みを実施します。

⻑野県茅野市

茅野市のテーマは「3つの"健康"で再構築する茅野サスティナブルローカルシティ構想」です。人口減少などの社会的な課題解決のために、最先端技術を使ったデータ収集と利用を進めます。都市OSを導入して、多くのサービスと連携する構想もあります。

静岡県浜松市

人口減少や少子高齢化などの問題を解決するために、デジタルの力を活用して市民QOLの向上と都市最適化を目指しています。医療や防災、教育、観光などの分野で最先端サービスの提供を推進していきます。

愛知県・常滑市 共同

愛知県と常滑市は、あいち・とこなめスーパーシティ構想を掲げているまちです。目指す未来像は、グリーン&イノベーションアイランドで、モノ作り集積地の強みを活かしたビジネスの創出を狙っています。

愛知県⼤府市

⼤府市は、健康都市を基本理念に掲げたまちづくりを目指しています。データ関連基盤を導入して、市民から集めたデータをデジタルヘルスケア産業に活かし、新たなサービスの提供に結びつけます。

愛知県幸⽥町

幸田町では、「『The Well City幸⽥』地⽅創⽣の新スタンダードを実現する"ビッグテラス"」をテーマにスーパーシティを目指しているまちです。防災を中心に、農業や医療、交通が連携して最先端サービスを提供しているのが特徴です。

三重県多気町など 6町共同

「三重広域連携スーパーシティ構想」を実施しています。データ連携基盤を活用して、デジタルヘルスケアの仕組みづくりやモビリティの自立運転が可能なダイナミックマップ基盤の提供を目指します。

京都府・精華町・⽊津川市・京⽥辺市共同

「けいはんなサスティナブルスーパーシティ」をテーマに、市民の高齢化や人口減少、医師不足などの課題解決に着手していきます。官民連携して、市民サービスのレベルアップを狙っています。

⼤阪府・⼤阪市共同

大阪では都市課題があり、データ駆動型社会の実現が有効とされていました。そこで、ユースケースの見える化や好循環によるスケールアップ、データ連携基盤による広域化などの基本方針を立て、スーパーシティに取り組んでいます。

⼤阪府河内⻑野市

河内⻑野市では、課題解決のための生活利便性向上やまちの魅力向上、地域活動の創出などを目標にしています。目標の実現のために、郊外型のライフスタイルを提案して、地域に住む人々が助け合える環境を整えられるよう取り組んでいます。

兵庫県養⽗市

養⽗市では、「⽇本⼀豊かでサステイナブルな『スマートヴィレッジやぶ』構想」を立案しました。自治体と事業者が協力して、継続的な情報交換・連携に関わる中間支援をミッションに展開しています。マイナンバーウォッチや市民総合アプリの提供を実施して、運用ノウハウとデジタル基盤の構築を狙っています。

和歌⼭県・すさみ町共同

和歌⼭県とすさみ町は、南紀熊野スーパーシティの実現に向けて、最先端技術を取り入れた実証・実装を続け、常に10年先の暮らしを体験できるまちを目指しています。

岡⼭県吉備中央町

吉備中央町が目指す姿は「住民がワクワクしながら安心・安全に生活できる未来型シティの創出」です。それぞれの分野で将来像を設けて、重点施策を実施しています。

広島県東広島市

東広島市では、「『やさしい未来都市東広島』の実現を牽引するグローカルなピース&サステナブルユニバーシティタウン構想」をテーマに取り組んでいます。Society5.0 for SDGsの考え方にもとづいて取り組み、市民の幸せを最大化するためのまちづくりを目指しています。

広島県神⽯⾼原町

神⽯⾼原町は「誰もが挑戦できるまち」をテーマにスーパーシティ構想を立案しました。デジタルによる医療や交通、教育などの高度化を進めていきます。

⼭⼝県⼭⼝市

山口県は「段階的に展開する山口モデルスーパーシティ構想」に取り組んでいます。人口が少ない地域から住民が笑顔で暮らし続けられる地域をつくり最終的には、20万人規模でスーパーシティの実現を目指します。

⾹川県⾼松市

高松市は「フリーアドレスシティたかまつ」をテーマにスーパーシティに取り組んでいます。人口減少などの課題をデジタルツールのつながりで解決し、必要な出会いや交流の創出を狙っています。

福岡県北九州市

北九州市では「日本製鉄株式会社工場跡地を利用した持続可能なまちづくり」を目指しています。環境・経済・社会の3つの柱のもと取り組み、最先端技術の実装と実装を実施していきます。

熊本県・⼈吉市共同

熊本県と人吉市は共同で「HITOYOSHI RIVERTY構想」を実施しています。防と攻の両方の側面から取り組み、防災と観光に力を入れていることが特徴です。

宮崎県延岡市

延岡市は「我が国を救う!⽇本のお家芸・製造業のまち延岡のスーパーシティ構想」を掲げ、教育・防災・医療・交通・産業の分野でそれぞれ達成するべき目標を設定しました。スーパーシティでは、12の最先端技術の提供を目指しています。

沖縄県⽯垣市

石垣市は「⽯垣空港+⽯垣港2拠点スーパーシティ構想」をテーマに取り組んでいます。市民や観光客に情報の提供を実施できるようにソーシャルIDとマイナンバーを活用したオプトインを展開。さまざまなサービスの提供を目指しています。

スーパーシティは、令和4年3月10日にスーパーシティ型国家戦略特区が発表されました。スーパーシティ型国家戦略特区に選ばれたのは、つくば市と大阪市です。 さらにデジタル田園健康特区として、吉備中央町と茅野市、加賀市が選定されています。

上記の都市の動向を追うことで、スーパーシティの現状などを把握できます。


スマートシティの進め方4つのステップ

スマートシティは、無計画に取り組んでしまうと、住民の賛同が得られなかったり、コストがかかりすぎて中止になったりするなどのトラブルが発生します。

着実に進められるように、以下の4つのステップを踏みながら徐々に導入していきましょう。


ステップ1:初動段階

スマートシティに取り組む際には、庁内の推進体制を整えましょう。アドバイザーやアーキネクトなどの専門人材はもちろん、部局を横断するような組織づくりが重要です。また、庁内だけにとどまらず、地元経済界や住民団体、大学などとも対話できるよう工夫することが大切です。さらに、この段階で地域の課題や目的、強みなども洗い出しておきましょう。

ステップ2:準備段階

準備段階では、地域住民や関係者のニーズを収集します。分析後、目指すべきスマートシティのビジョンを策定しましょう。実際に加賀市では、スマートシティ宣言を実施し、市民に取り組み内容や基本理念を共有しています。

ステップ3:計画(戦略)策定段階

ビジョンの策定を終わらせたら、計画を具体化していくステップです。計画は、以下の項目を決めるようにしましょう。

  • 目標
  • 課題
  • KPI(重要業績評価指標)
  • 収集するデータ
  • データの扱い方法
  • 資金計画
  • 全体のスケジュール

計画する際には、都市OSやデータ基盤の導入が必要かどうかも検討します。連携する団体ともコミュニケーションを取りながら、計画をしていきましょう。

ステップ4:実証・実装〜定着・発展段階

最後に実証・実装のステップです。システム導入やサービス提供をして、効果がどのくらいあったのか検証します。

実証段階では、市民の理解を得た上で取り組むことが大切です。市民の反対で、計画が途中で終わってしまうこともあるため、注意深く推し進めましょう。実装後も検証とニーズの汲み取りを繰り返し、常にバージョンアップできる環境を整えることが大切です。

まとめ:スマートシティの取り組みに自治体は欠かせない

スマートシティの実現には、自治体はもちろん企業との連携が欠かせません。

今回紹介した自治体は、持続可能なエネルギーの活用、ICT技術の導入、交通の効率化など、さまざまな分野で取り組んでいます。今後もスマートシティに応募した自治体含め、それぞれが取り組みを進めていくことが予想されます。

自治体の取り組みを見て、スマートシティを推し進めたいと考えた場合は、今回紹介した4つのステップを参考にしてみましょう。

株式会社インテックでは、スマートシティの実現に向けて、独自のサービスを提供しています。スマートシティへの取り組みを支援してもらいたい場合は、「お問い合わせ」からご連絡ください。

公開日 2023年10月13日

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