DX推進を阻む3つの課題とは?解決方法を分かりやすく解説
近年、競争力強化や新しい価値を生み出すために、DXを推進する企業の数は増加しています。しかし効果を実感できている企業は多くありません。ではなぜ、DXを推進したものの効果を実感できていないのでしょうか。
DXに成功していない企業の多くには、3つの課題があると言われています。
そこで本記事ではDX推進における3つの課題と、その解決方法について解説します。DX推進を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
DXの現状
経済産業省の「DXレポート2.2」によると、国内でDX推進指標の自己診断を提出する企業は年々増えており、DXに取り組む企業の数は増加傾向にあることが分かります。
また、一般社団法人日本能率協会(JMA)がまとめたレポート「日本企業の経営課題2021」では、2021年度にDXに取り組んだ企業の割合は45.3%と、前年度の28.9%よりも大幅に増えているという結果が出ています。
ただ同レポートにおいて、DXの効果について「おおいに成果が出ている」と回答した企業の割合は全体のわずか2.1%、「成果が出ている」と回答した企業は16.2%という結果になっており、成果を実感している企業はそれほど多くないことが分かります。
DXと2025年の崖
経済産業省がDXレポート上でDXの推進ができなかった場合、「2025年の崖」というリスクが生じることについて言及しています。「2025年の崖」とは、老朽化したシステムを使い続けることにより、IT関連の予算のほとんどをシステムの保守費用に充ててしまうことで起こる弊害です。
IT予算の大半を既存システム維持に費やしてしまうため、新しいビジネスへの投資ができず、2025年以降は現状の約3倍、年間で最大12兆年もの損失が出ると警鐘が鳴らされています。その損失は主に、ビジネスのデジタル化の流れに対応できずに競争力をさらに失うことにより発生し得るものです。DXを推進して「2025年の崖」を回避する必要があると言えるでしょう。
*『DXに関連する商品・サービス』は、こちらのページをご覧ください
インテックが考えるDXDX推進を阻む3つの課題
DX推進を阻む課題は主に以下の3つです。
経営戦略が明確でないこと
企業全体として「DXで何を実現させるか、どのように実現させるのか」という経営戦略が明確でない状態でデジタルツールを導入してDXの推進を図ってもDXの実現は難しいでしょう。明確な経営戦略がなければ、具体的な方向性などを示すことができず、本来行いたい理想のDXの実現とかけ離れてしまう可能性があります。
また、経営層だけがビジョンを描いていても社内に共有できなければ、社員のDXに取り組む意識が希薄になり、DXの実現は遠ざかってしまうかもしれません。まずは具体的なゴールを経営層も含めた全社で共有する必要があります。
DX人材が不足していること
経済産業省の「デジタル人材育成プラットフォームの取組状況について」によると、多くの企業がDXに必要な人材が不足していることを実感している、という調査結果が出ています。
DXを進めるには、業務全体を見てデジタル技術の導入を設計できる人材やデータのスペシャリストなどが必要です。ただし、デジタル技術に詳しいだけでなく、DXを正しく理解しプロジェクトをけん引していくような人材が求められます。しかしそれらを実行できる人材は現在に加え今後ますます不足が加速することが予測されており、確保が難しい状況があります。そのためDX人材の確保は急務の課題です。
*DX人材についてより詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
DXへの積極投資ができないこと
経済産業省の「デジタルトランスフォーメーションに向けた課題の検討」によると、日本企業においてIT関連費用の80%が現行システムの維持管理に使われていることが明らかになっています。
また、多くの旧システムは業務の拡大に合わせて改修を繰り返すことによるプログラムの複雑化や担当者の変更などにより保守・運用費が高騰している現状もあります。結果、既存システムの維持で予算が膨らみ、新しいシステム導入・開発に予算を振り分けることができなくなり、DXの推進を阻んでいます。
DX推進における課題の解決方法
DXを推進するための課題を解決するには、以下の方法が有効です。
DXで実現したいことを明確にする
DXを推進していくためには、DXを利用してどのようなビジネスを行うのか、経営層が明確にビジョンを描いて社員に向けて発信することが大切です。
それだけでは具体的な行動に結び付きにくいため、実現にあたっての具体的な行動指針を経営層から社員に対して、トップダウンで示すことが必要になってきます。また、その後も社員に任せっぱなしにしてしまうのではなく、経営層から企業が目指す姿、DXに取り組まなければいけない理由について積極的に発信し、変革に対する目的意識が浸透するまで支援することが求められます。
*DX化についてより詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
関連記事 DX化とは何?IT化との違いやメリット、実現すると変わることを解説
DX人材を確保する
DXに必要な人材が不足している現状においては、社内にノウハウを蓄えるためにも社内人材の育成が望まれます。人材候補は幅広い層から選ぶことが重要ですが、既存システムを運用していた社員をそのままスキルシフトさせることで、スムーズにデジタル教育も可能です。
DX人材の育成においては、単にデジタル教育を行うだけでなく円滑なプロジェクトの運用やプロジェクトをけん引していくスキルを身に付ける必要があります。そのため必要に応じて社外の人材を招き、さらなるブラッシュアップを図りましょう。
*DX人材についてより詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
DXの予算を確保し、既存システムを刷新する
DXを推進する予算を確保するためには、まず現行のITコストの把握を行いましょう。
そのためには、コストの多くを費やしている既存システムの見直しも必要です。既存システムを分析・評価し、必要な機能と不要な機能を判断します。この見直しにより、既存システムにかかる費用を削減し、DXの予算確保を目指します。一連のコストの見直しと削減により、既存システムのスリム化が実現できれば、さらなるDX推進のための既存システムの刷新やシステムの再構築に繋がるでしょう
資金的に余裕がない場合は、「IT導入補助金」や「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」などの補助金制度の活用を検討してもいいでしょう。
DXの課題を解決し、大きな成果へとつなげよう
DX推進に取り組む企業は増加しつつありますが、DXの効果を実感できている企業はまだ多くはありません。「2025年の崖」問題に代表されるように、老朽化した既存システムを未だに運用していることや、DX人材の不足など、DX推進を妨げる課題を抱えているためです。
しかし、多くの企業がDX推進に足踏みしているなかで、DX推進を阻んでいる課題に本格的に取り組めば、さらなる大きな成果へとつなげられるでしょう。
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インテックが考えるDX公開日 2023年02月17日
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