働く女性のキャリア形成に必要な支援とは?産休・育休からの復職支援の重要性
近年、重要な経営戦略としてダイバーシティ&インクルージョンを推進する企業が増えており、中でも、働く女性のキャリア形成及び出産・育児支援については、女性活躍推進法の改正が成されるなど、注目が集まっています。しかしその一方で、実際に働く女性からは、仕事と出産・育児の両立について不安の声が挙がっているのも事実です。
インテックでは、2021年5月~6月に、女性従業員1,029名と管理職269名を対象に、当社における女性活躍推進および仕事と生活の両立支援施策の具体的取組検討のため、女性のキャリアと、仕事と生活の両立支援に対する女性従業員と管理職双方の意識調査を行いました。
本コラムでは、この意識調査の結果を読み解きながら、女性活躍推進に課題を感じている企業、多様な働き方について課題を感じている企業において、どのように女性活躍の施策を考えていくべきか、そのヒントをお伝えしたいと考えております。
企業の人事部の皆様、女性活躍推進ご担当の皆様、働き方改革推進ご担当の皆様、ぜひご覧くださいませ。今後、女性のキャリア形成や復職支援についての情報提供や勉強会も予定しております。ぜひ、皆様がお抱えの課題もお聞かせいただけますと幸いです。
インテックでの女性活躍における課題
インテックでは、1964年の創業当初から女性を大切な戦力と位置付け、採用・登用・能力開発において性別による区別をしないこと、育児休業などの子育て支援制度も男女を問わず取得可能としてまいりました。2005年には育児休業法の規定を大きく上回る3年間の育児休業取得を可能とし、女性が安心して働き続けることができる環境を整備してまいりました。2017年には、厚生労働大臣より女性の活躍推進に関する取り組みが優れている企業に与えられる認定マーク「えるぼし」の最高位である3段階目の認定を取得しております。
女性活躍推進法にもとづく行動計画を策定し実行して以来、管理職に占める女性社員の割合は確実に上昇しており、業界大手の他社と比較して女性が働きやすい環境整備については遜色がない一方で、やはり男女別の昇格割合では、まだ男性の昇格割合の方が高く、また、資格が上位になるに従って女性比率が少なくなっており、今後は、職場で高いパフォーマンスを発揮し、ポジションを上げていく女性社員を増やしていくことが課題であると考えました。
女性のキャリアと仕事と生活の両立支援に対する女性従業員と管理職双方の意識調査 概要
調査目的
当社における女性活躍推進および両立支援施策の具体的取組の検討のため、女性従業員と管理職双方の意識について現状を把握する。
調査内容
-
1. 女性の仕事・キャリアについて
-
2. 男女の機会均等・評価、職場環境について
-
3. 仕事と育児・介護の両立について
-
4. 産休・育休・介護休業(短時間勤務を含む)について
-
5. 女性活躍、仕事と生活の両立支援に対する施策、取り組み
調査対象
- 管理職(部長・課長・課長代理)全員(269名)
- 女性従業員(社員、特別専門員、嘱託、契約社員)全員※新人を除く(1,029名)
調査期間
2021年5月21日~2021年6月11日
概要
管理職向け | 女性従業員向け | |
---|---|---|
①属性を問う設問 | 4問 |
6問 |
②選択式設問 うち自由記述式設問 |
22問 |
23問 |
③自由記述式設問 | 11問 |
15問 |
回答人数
管理職176名(回答率:65.4%)
女性従業員640名(回答率:62.2%)
意識調査から見えてきたのは「産休・育休からの復職支援の重要性」
調査では、リアルな働く女性社員や管理職の声が多数浮き彫りになりました。特に、産休・育休からの復職に関しては、両者ともキャリアを中断させず仕事と家庭を両立していくためにできるだけスムーズに復職することを考えているとわかりました。
- 働く女性社員の声
-
「産休中にイントラネットに接続できないので、少しさみしく感じる」
「職場復帰に関する制度や情報が紙中心なので、里帰りなどしていると確認しづらい。必要な情報がメールで都度送られてくるが、全体像がわかりにくい」...等など - 管理職の声
-
「復職者に配慮しているつもりだが、本当に何が困っているのか、今の業務量に無理をしていないかなど、あまり毎回は聞きづらい」
「配慮しすぎていて、逆に相手が気を遣っているように感じる」...等など
相手を慮るばかりに生まれている課題もあるようです。ここからは、調査結果から一部を抜粋し、お伝えいたします。
女性がさらに活躍できる仕事・職場環境をよりよくするために必要なことな何か
仕事・職場環境改善に必要なこととして、【女性がさらに活躍できる仕事・職場環境をよりよくするために必要なことな何か】という設問に対しては、女性社員・管理職とも、「育児時の両立支援制度の整備」を求める声が多く、次いで「時間外労働が不要で、勤務時間が柔軟」であることが必要との意見が多く見受けられました。
また、女性社員は管理職以上に「仕事が適正に評価される」、「職場の上司・同僚に理解がある」ことが必要であると感じているということがわかりました。
女性活躍、仕事と生活の両立支援に関して、今後必要だと思う施策や取り組みは何か
また、【女性活躍、仕事と生活の両立支援に関して、今後必要だと思う施策や取り組みは何か】という設問には、女性社員・管理職とも「やりがいのある仕事を与える」、「成果で評価していく」ことが必要な取り組みであると感じているのはもちろんのこと、「育児・介護期の制度活用により両立を支援する」「育児・介護休業後のキャリアが見通せるようにする」「育休等からの復職者は個別事情に配慮して配属する」「育休等からの復職者に意欲を高める研修をする」などを求める声が多く、やはり育休・産休からの復職支援をより一層強化する必要があると感じる結果になりました。
インテックのこれからの取り組み「産休・育休からの復職支援」実証実験
意識調査の結果を受け、産休・育休中の社員へ適切な復職支援を行い、一人ひとりが働きやすい職場環境を整えることが、働く女性のキャリア形成の支援に繋がるとの信念のもと、「産休・育休からの復職支援」実証実験を2022年1月から開始予定です。
また、インテックでは、産休・育休中の社員と、簡単且つ安心安全にコミュニケーションを取るためには、将来的には専用ワイヤレスネットワークなどをはじめとする、ゼロトラスト対応の環境を構築し、ユーザへの利便性とセキュリティの高度化を同時に実現する必要があると考えます。その考えに基づき、「産休・育休からの復職支援」の実証実験を行い、その結果から、必要な機能や運用方法を磨いた上で将来的にはお客様への提供も予定しております。
実証実験では、産休・育休中にも上司や同僚とコミュニケーションを取ることができる産休・育休復職支援ポータルを作成し、ポータル上で産休・育休中の社員同士の交流や、復職支援のための1on1面談などを検証する予定です。
ポータルサイトのコンセプトイメージ
- ※企画中のコンセプトのため、実際の実証実験アプリとは異なる可能性がございます。
復職・キャリア形成支援面談(1on1)のイメージ
各種申請の電子化 例:出生届イメージ
一緒に女性活躍について取り組むお仲間を募集しております
インテックでは、女性活躍に対する当社の取り組みにご賛同いただける方々と共同検討を行っていきたいと考えております。
- 貴社(または、貴社のお客様)においても同様の課題をお持ちではないでしょうか?
- その課題への対応について、共通的に取り組むことができる分野はないでしょうか?
- 個社毎に考えるより「文殊の知恵」で対応しより良い解決策を見つけたいとは思いませんか?
お仲間になっていただける方、ぜひ一緒に取り組んでいきましょう。