請求書の管理方法は?従来方式の課題とシステム導入のメリットを解説

企業では取引や設備購入などさまざまなシーンで請求書がやりとりされます。法人であれば請求書は7年間の保管が法律で定められており、処理が終わった後も膨大な量の請求書を管理・保管しなければなりません。Excelや紙による、大量の請求書を管理・保管するのに苦労している会社も多いのではないでしょうか。そこで、おすすめしたいのが請求書処理の完了した請求書を安全に保管するシステムの導入です。

本記事では従来の紙やExcelによる請求書管理における課題を述べたうえで、その解決法としてシステムを導入するメリットについて解説します。

従来の請求書管理の課題

請求書は法人にとって取引の証拠となる重要な書類であり、法律で管理すべき期間が定められています。法人は確定申告期限の翌日から7年間管理しなければならず、その間も取引が継続する限りは請求書が蓄積され続けます。

従来は紙で発行・授受した請求書を、「ファイルにとじる」「Excelにデータを転記する」などの方法で管理をしていました。しかし、これまでの方法では効率性や正確性に課題があります。また、紙形式での保存に関しては、2022年の改正電子帳簿保存法の施行により、電子データで受け取った請求書を原則紙に出力して保管することができなくなるという、現実的な問題が発生しました。

本章ではまず、従来の保存方法における課題を解説していきます。

紙管理の課題

請求書を紙で管理する場合、書類が膨大な量になるという問題点があります。企業や業種・取引内容ごとの分類やファイリングでは大量の書類を扱わなければならず、正しいオペレーションを構築し部内で共有しておかないと、ミスが起こりやすくなります。また、書類が大量にあるということは、あとから内容の確認をする際に目的の書類を探しにくいという問題へとつながります。

このように管理が煩雑で検索性が低く、保存するためのスペースを確保する必要もあるため、紙の請求書管理は業務効率化やコスト削減の障壁になりやすいという課題があるのです。


*紙保存について、詳細はこちらの記事をご覧ください。

関連記事 電子取引の紙保存は廃止?今後の対応方法と保存要件を解説

Excel管理の課題

Excelで請求書を管理する場合は、書類のデータを入力したり転記したりする際の操作ミスが起こりやすいという問題点があります。7年分のデータをひとつのファイルで管理する場合は、データ量が増えるにつれて容量が肥大化し、処理速度が低下する点も作業の効率化を妨げます。

重要な項目を色付けしたり罫線を使用したりすることでミスの低減が可能となり、関数やマクロの使用で作業の効率化もある程度はできるかもしれません。しかし一方で、色付けや罫線を多用により重要項目が見にくくなってしまった場合のデータ入力ミスやデータ容量増加による処理速度の低下などは、Excelの請求書管理の大きな課題です。

紙の請求書を管理する方法

企業が取り扱う請求書には、外注先等から受け取る「支払請求書」と取引先に送る「入金請求書」の2種類があり、それぞれ分けて管理しておくことが必要です。入金請求書は送ったものの控えを保管し、支払請求書は支払い前とあとの状態に区別して管理します。

紙で請求書を管理する際の方法は次のとおりです。

受け取った請求書(支払請求書)を管理する方法

支払請求書は支払いの「前」か「あと」かに気をつけて管理します。次のような手順で管理するとスムーズです。

  • 1. 請求書を受け取ったら「未確認請求書ファイル」に入れる
  • 2. 記載事項を確認後、問題がなければ「支払可能請求書ファイル」へ移す
  • 3. 支払いが完了したら「支払済み請求書ファイル」へ移す(決済済み・振込済み書類も添付して保管)
  • 4. 上記をそれぞれ月ごとや取引先ごとに分けて保存する

手順を細分化したり、自社の決済フローに応じて微調整したりすることは可能ですが、基本的な流れはどの会社でも共通です。また、手順4.では請求書の日付順に管理し、必要なときに確認しやすくしましょう。

送った請求書(入金請求書)を管理する方法

入金請求書は取引先へ送るものなので、自社ではその控えを保管します。
入金請求書の控えを保管する際は、入金の前かあとかで区別することで入金状況の確認がしやすくなります。次のような手順で管理しましょう。

  • 1. 入金前の請求書の控えを「未入金請求書の控えファイル」に入れて管理する
  • 2. 入金確認後に控えに印を押して「入金済みファイル」に入れる
  • 3. 上記をそれぞれ月ごとや取引先ごとに分けて保存する

請求書管理にシステムを導入するメリット

請求書を月ごと、または取引先ごとに管理することで毎月の取引内容は確認しやすくなりますが、取引先が多い場合は煩雑なうえ、内容を確認したいときに目的の書類を参照しにくいという問題点があります。

しかし、請求書管理にシステムを導入することで管理業務を効率化することができます。

請求書管理にシステムを導入する利点は次の2つです。

  • 請求書を一元管理できる
  • 請求書の検索が簡単にできる

まず挙げられるのは、請求書を一元管理できる点です。請求書の作成と発行、入金確認結果の記録などを効率化できるため、請求書の保管業務をスムーズに進められます。

また、デジタルデータで保管するため検索性が高く、特定の顧客や時期を指定すれば条件に合った請求書をすぐに閲覧できて、時間をかけずに対応可能となります。また、端末と連携することで物理的に離れた場所からの閲覧も容易です。


*経理業務を効率化する方法については、こちらの記事をご覧ください。

関連記事 経理のペーパーレス化を進めるには?進め方のポイントやメリットについて解説

請求書を保管するシステムの選び方

請求書を効率的に管理できるシステムの数は多く、自社に適したものを選ばなければ費用を無駄にすることにもなりかねません。自社にとって有益なシステムを選択できるよう、システムの選び方を解説します。

連携のしやすさに注目

請求書を保管しやすいシステムを選ぶには、自社で今まで使っていた会計ソフトなどのツールと連携可能であると運用負荷を軽減できます。
システムのなかには、ほかのシステムやツールと連携できないものもあります。そのため既存システム業務と連携可能か、できない場合はカスタマイズ開発をするのかどうかを事前に確認や検討を行いましょう。

コストに注目

請求書を保管するシステムは、月額費用で利用ができるクラウド型が主流です。小規模な事業者向けであれば月額1,000円程度で使用できるものもありますが、法人向けの場合は一定のコストがかかります。
長期的に使用するため、企業規模や請求書業務に関わる人数などを踏まえ、コストと機能性のバランスが良いものを選びましょう。

セキュリティ性に注目

請求書データをクラウド上で管理する以上、セキュリティ対策が重要です。クラウド上で管理するということは、書類を常にインターネット上に保存しておくため、外部からのサイバー攻撃にさらされるリスクがあります。
そのため通信の暗号化やバックアップなどの対策、および問題発生時のサポートが受けられるといった、信頼性の高いシステムであることが必須です。

改正電子帳簿保存法に対応できるかに注目

2022年1月には電子取引データの電子保存義務化に関する改正電子帳簿保存法が施行されました。そこで、法律に対応できる要件を満たしたシステムを選ぶことが重要です。
改正後の電子帳簿保存法に対応するためにシステム導入をする場合には、改正電子帳簿保存法に対応した機能を有しているかどうか見極めて導入しましょう。

請求書の保管にはシステムの活用がおすすめ

企業の請求書管理は入出金管理にも関わるため、特にミスが許されない業務です。それだけに経理部の負担は重いですが、経理部全体でできるだけ業務効率化を図ることで、ミスの低減を目指したいものです。負担軽減のために、請求書管理・保管がしやすい環境を構築しましょう。

紙やExcelでの請求書管理・保管は、手間がかかることや紛失リスクが高いことなど課題が多いため、システムを導入することをおすすめします。ただし、さまざまな種類があるので、より高い効果が得られるものを選ぶことが重要です。法律に対応することはもちろん、コストや連携のしやすさなどに注目して、メリットが大きいシステムを選んでいきましょう。

インテックの電子帳票システムである「快速サーチャーGX」は、会計システムや経費精算システム、ワークフローシステムなどさまざまなシステムとの連携が可でき、請求書をはじめとした多種多様な帳票を一元的に保管できます。
さらに、それらのデータはWebブラウザでどこからでも閲覧できるため、全社規模で必要な書類を即座に確認しやすくなります。

請求書の保管を最適化するために、導入を検討してみてはいかがでしょうか。


*INTECが提供する電子帳票システム「快速サーチャーGX」の詳細はこちらのページをご覧ください

快速サーチャーGX

公開日 2023年03月23日

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