SWGとは?CASBとの違いや機能・メリットを紹介
SWGとは?
なぜ、SWGが多くのオフィスで必要とされているのでしょうか。SWGの概要や必要性、CASBやプロキシサーバーとの違いについて解説します。
SWGは危険なコンテンツのアクセスを遮断
SWG(Secure Web Gateway)は、ユーザーが安全にインターネットを利用するためのプロキシです。悪意のあるWebサイトやリンク、企業が許可をしていないサイトに社員がアクセスすることを防ぐように設計されています。IPアドレスやURLのチェックをセキュリティポリシーに基づいて行い、安全性に問題があればアクセスの遮断が可能です。
種類としてはオンプレミス型、クラウド型、オンプレミスとクラウドの両方を利用するハイブリッド型があります。オンプレミス型は社内のシステムにSWGを設置し、クラウド型はクラウドを提供しているベンダーのSWGを利用するというものです。
CASBとの違い
SWGと類似した機能を持つものにCASB(Cloud Access Security Broker)があります。CASBもまた、従業員のインターネットアクセス状況を可視化し、適切に制御します。
異なるのは、SWGはインターネット経由のWebトラフィックすべてが対応範囲であるのに対し、CASBはSaaSに特化しているという点です。SaaSに関して、より細かくセキュリティ対策を行いたい場合にはCASBが適しているとされます。
例えば、CASBの場合は、「自社端末から従業員が個人で契約した同一のクラウドストレージサービスの別領域(例えば個人IDや他社契約領域)に、データをアップロードする事を禁止したい」「自社以外が契約するクラウドストレージサービスとのデータ共有を禁止したい」といった細かな制限も可能です。
ただし、インターネット上のSaaSを広範囲にカバーすることはできないため、広く業務に役立てたいのであればSWGの方が向いています。
また、最近ではSWGとCASBの両方の機能を持ったセキュリティサービスも登場しています。
プロキシサーバーとの違い
プロキシサーバーも、SWGと同様に境界型セキュリティサービスのひとつです。
プロキシサーバーは、インターネットと自社の閉域ネットワークの境界に設置され、閉域網内の端末から、インターネット接続を行うサーバーのことです。閉域ネットワークに接続したパソコンやモバイル端末などからインターネットに直接接続することを避けられるため、外側の脅威からのリスクを軽減します。
SWGは、インターネット上にクラウドサービスとして存在するため、自社の端末を社外に持ち出しインターネットに接続しても、自社端末とインターネット上のWebサイトとの間に介在し、同様の働きをします。自社の閉域ネットワークに接続していなくても、社内と同様のセキュリティ対策を実施できるのがプロキシサーバーとは異なる点です。
SWGはなぜ必要なのか?
従業員がオフィス外から社内ネットワークにアクセスするケースが増えていることが、SWGのような境界線型セキュリティサービスの重要性を高めている要因です。働き方改革や、感染症拡大の防止目的、クラウドの環境整備などで、リモートワークは増加してきました。
インターネット上で提供されるクラウドサービスを利用する際は外部と社内ネットワークの線引きが難しく、安全の確保も困難です。しかし、セキュリティ環境が保たれていないと、情報漏えいやランサムウェア攻撃などにより、企業は大きく信頼を損なうリスクを抱えます。
そこで、SWGのように外部とのアクセスを制御することで、社内ネットワークとの境界を見張る技術が必要となりました。
SWGの機能

SWGの代表的な機能には以下があり、セキュアなインターネット環境を実現します。
- URLフィルタリング(危険なWebサイトへのアクセスを防ぐ)
- ウイルスやマルウェアからの防御
- 脅威対策(未知のプログラムやファイルに関する評価と対策)
- 情報漏えい防止(DLP)
- 帯域幅コントロール
- リモートユーザー保護
- ポリシー管理ツール
- アプリケーション制御
ただし、サービスを提供する会社や製品によって、機能は異なります。自社にとっての課題を洗い出したうえで、必要な機能を提供するサービスを選ぶのが肝心です。
SWGのメリット
SWGのメリットと、導入によってもたらされる効果について解説します。
一元管理で運用の負担が削減できる
SWGでは、セキュリティの一元管理が可能です。デバイスごとにソフトウェアライセンスを購入するのに比べると、運用コストの削減ができ、管理作業も簡素化できます。
保守作業が軽減されることで、ITシステムを担当するスタッフは、セキュリティの管理以外の業務に時間を割けます。業務が軽減されることで残業が減少したり、スタッフの人数を減らすことができたりといったように、人件費を抑制できるのもメリットです。
セキュリティレベルが上がりWebベースの脅威を防げる
インターネットアクセスのセキュリティが大幅に向上します。SWGはマルウェアや不正アクセスの攻撃パターンをまとめたシグネチャファイルにより、ウイルス感染を防ぎます。フィッシング詐欺やアカウントハッキングなどもシャットアウトし、信頼できるデータのみを社内ネットワークに通します。
悪意あるWeb上の脅威を避け、企業の信頼や財産を守ることが可能です。
通信の一括管理でコンプライアンスへの対応が強化できる
通信の一括管理が可能となるため、データの流れを追跡し、コンプライアンス違反を最小限とすることができます。
社会的なコンプライアンスへの注目はますます高まっており、違反を起こさないことは現代の企業にとっては重要な課題です。SWGによってリスク管理をすることは、企業の信用を守ることにつながります。
SWGを導入する際のポイント
ひと口にSWGと言っても、さまざまな会社がサービスを提供しています。導入のポイントについて解説します。
自社に合った機能のものを選ぶ
前述のように、SWGにはさまざまな機能が内包されています。トラフィック量や、クラウドと非クラウドのどちらが業務の中心になるのかによっても、必要なセキュリティ機能が変わってきます。多くの機能を付ければそれだけコストがかかるので、無駄がないようにプランを選ぶことが必要です。
コストは長期で考える
セキュリティ対策は長期で行うため、コストについても長期で考える必要があります。外部のベンダーにサービスを依頼するには費用が必要ですが、上述のように一括管理により運用、保守のコストが削れる場合もあります。すべてを計算したうえで、負担が少ないようにすることが大切です。
サービス・サポートについても確認
依頼する会社のサービス内容も検討しましょう。自社に合った機能に対応してくれるか、トラブル対応は万全か、導入後のカスタマーサービスは利用しやすいかなど、長期的な付き合いとなるだけに信頼できるところを選ぶことが肝心です。
クラウド時代にセキュアな環境を実現

クラウドの利用で外部からインターネットや社内情報にアクセスすることが増えた時代に、一元管理で効率よくセキュアな環境を実現するのがSWGです。CASBも似たような役割を果たしますが、SWGの方がすべてのインターネット通信をカバーしているという利点があります。外からの脅威や、従業員の悪意のあるWebサイトへのアクセスを避けるだけでなく、コンプライアンスに違反した情報発信を追跡し、機密情報の流出を最小限に食い止められるなどのメリットもあります。
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公開日 2024年07月04日
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