EDI2024年問題に伴ってEDIアウトソーシングサービスを採用
日々増加する送受信データ量と事業継続するための課題を解決
移行もスムーズに進行し2022年にインターネットEDI対応完了

ロート製薬は胃薬や目薬といった製薬分野で知られる企業ですが、ウェルビーイングなよりよい社会を広げていくべく、食品や再生医療といった分野にも進出し、事業全体が広がっています。その事業を支えるEDIは約80の代理店との間で毎日の受発注や商取引のデータを円滑に運用し、国内受託の約8割を管理する重要なシステム。これまでは自前で構築したEDIを使用していましたが、INSネット(ディジタル通信モード)サービス終了(EDI2024年問題)に伴い、インテックのEDIアウトソーシングサービスを採用しました。そこで、同社基幹情報システム部 システム開発運用グループ マネージャーの横田貴重氏と同グループの北本健二氏に、EDIアウトソーシングサービスへの移行とその効果などについてお話を伺いました。

課題

障害が起きたときに対応できるメンバーの育成とBCP対策の不十分さ

ロート製薬株式会社
基幹情報システム部
システム開発運用グループ
マネージャー 横田貴重 氏

── 基幹情報システム部についてお聞かせください。

横田: 弊社のITサービスやシステム導入全般に関わる部署です。弊社は自分たちでできることは自分たちで行う文化があり、サーバの導入やソフトウェアのセットアップなども行ってきました。

── EDIはいつごろからお使いですか?

北本: EDIは約30年前から使っており、電話回線経由の全銀手順に独自のプロトコルを使ったシステムになります。プラネットなどのVAN会社を介した各代理店との受発注や請求・支払関連のデータのやり取りをしています。扱う商品は医薬品、化粧品など、多岐にわたっています。

── そうしたデータの送受信についての課題はありましたか。

横田: 昨今のビジネスの拡大や売上の伸張によって、その物流量が爆発的に増えてきています。受注データを速やかに物流センターに流して処理しないと当日の出荷に影響が出るので、まかないきれなくなってきたと感じていました。

北本: ほかにも、売上が上がるとEDIの接続先も当然増えます。そしてその都度、取引先とのテストや新たな通信を始めるなどといった工数が掛かる点について課題に感じていました。

── 自社構築のEDIではどのような課題がありましたか。

北本: 通信などの知見があるメンバーが少なかったり、担当していても数年おきに部署異動をしてしまうなど、知見を蓄積できるメンバーの育成が難しく、障害が起きた際には原因を探るのに時間が掛かっていました。

── バックアップや冗長化はどのようになっていましたか。

横田: これまでは同じデータセンター内に2台のサーバを置いて、ホットスタンバイ状態にしてバックアップ機を設けていましたが、ミラーリングはきちんとできていませんでした。

北本: オンプレでEDIを構築していることで十分なBCP対策が行き届いていないというのも大きな課題でした。

横田: 何か災害で影響が出た場合、1日でビジネスに億単位の影響が出る可能性があります。しかし、データセンターを2つ準備して切り替えるといった複雑な構成を自前で行うのは厳しく、今回アウトソーシングサービスを使う動機の1つになっています。

導入システム

EDIアウトソーシングサービスを導入しDRサービス+2拠点運用サービスを利用

── INSネット(ディジタル通信モード)サービスの終了に伴ってEDIアウトソーシングサービスへ切り替える決断をしたとのこと。

横田: そうですね。通信を切り替えるにあたって、また自前で環境を構築するかどうかを検討したときに、まずはクラウドサービスをベースに検討したほうがいいのではという話になりました。

北本: 約10社を比較して、いろいろな条件から決定しました。EDIとしての機能は、どの会社も基本的にはほとんど変わりません。そうした中でインテックは実績や、システムの信頼性、コストパフォーマンス、サポート面など、トータルでもっとも優れていると感じました。決め手として大きかったのは締め時間の要求の高い、ミッションクリティカルの高い業界への導入実績です。弊社も締め時間が厳しく要求されるので非常にマッチしていました。同業他社への導入実績なども安心感がありましたね。

ロート製薬株式会社
基幹情報システム部
システム開発運用グループ
北本健二 氏

── さきほど話の出たBCP対策という部分はいかがでしょう。

北本: 今回、BCP対策としてのDRサービスと、2拠点運用サービスを利用しています。通常は首都圏の拠点で運用し、いざ災害が起きたら北陸の拠点へスムーズに切り替わるというのが非常に魅力的で採用しました。

横田: これまでも別拠点のサーバルームに災害対策用サーバ群は用意していましたが、EDI はその準備ができておらず、実際にデータセンターが被災してしまった場合、事業継続性として受注データを受信できる状態が維持できないという課題が上がってきたことが大きくて、今回採用することになりました。

── 切り替えに当たって、EDIサービス導入プロジェクトの推進はいかがでしたか。

北本: 2022年4月にキックオフして、7月後半に先行5社を切り替えました。その後徐々に切り替えていて11月現在の接続先は15社ですが、大きな問題はありません。

横田: インテックはこれまでにいろいろな企業へ導入している実績があり、その知見の中でアドバイスをいただいたのでテストもスムーズに進みました。

── EDIアウトソーシングサービスと接続する中継サーバがアマゾンウェブサービス(AWS)とお聞きしました。

北本: 弊社の基幹システムはデータセンターを使用しています。しかし、将来的に基幹システムが変わる可能性があり、そのたびに接続し直すのはたいへんなので、間にAWSを中継用としてEDIアウトソーシングサービスにつなぐようにしました。AWSは構築しているものの、拠点間の構築は初めての経験でしたが、インテックに接続実績が多数あったので、アドバイスをたくさんいただき、短期間でネットワーク構築を実現できました。

効果と展望

インターネット接続で受信時間が短くなり長期休暇における休日対応がなくなった

── 切り替え始めて、どのような効果がありましたか。

北本: INSネットからインターネット回線への切り替えなので、やはりスピードの向上が大きいですね。現行の仕組みでは、受信に1時間くらいかかっていた大きなデータが数秒で受信できるようになりました。

横田: こうした処理は累積していくので、3連休といったときにどんどん貯まってしまいます。これまでは休日対応などで解消していましたが、受信時間が短くなることでそうした対応をしなくて済むようになったのは大きなメリットです。

北本: 移行前に抱えていたBCP対策といった保守・運用面での各課題は解決できました。

── インテックへの要望などはありますか。

北本: これまでは新しいサービスや技術の情報を自分で取得しないといけませんでしたが、インテックは幅広い情報を仕入れることができると思うので、随時フィードバックをいただき、いいサービスがあれば提示していただけると助かります。

Client Profile ロート製薬株式会社様

大阪で信天堂山田安民薬房として1899年に創業。1949年ロート製薬株式会社を設立。お客さまに美と健康を届けるべくさまざまな事業を展開。社内の働き方改革にもチャレンジしている。複業制度や部署をまたいでの仕事といった、人を育成する面にも注力しており、地域や社会へ貢献したり、新たな価値を生み出せるような働き方に取り組んでいる。

会社名

ロート製薬株式会社

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公開日 2022年12月20日

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