オンプレミスで運用していたファイルサーバをクラウドに移行
災害時のBCP対策を実現したほか、システム部門の運用負荷を軽減し、より付加価値の高い業務へシフト

正栄食品工業株式会社様

  • クラウドサービス

正栄食品工業株式会社は明治37年に牛乳販売店として創業した歴史ある企業で、乳製品を主体に製菓原材料類などを製菓・製パンを中心とした食品業界向けに仕入から販売まで行っています。その業務の合理化のため、昭和43年にはコンピュータを導入するといった先進性も持っています。同社ではこのたびインテックのAWS(アマゾン ウェブ サービス)導入支援サービスを利用し、ファイルサーバをオンプレミスサーバからクラウドサービスへ移行しました。また、クラウド運用支援サービスを活用して、AWS上のサーバの可視化を実現しました。今回は同社経営企画部 情報システムグループ課長の原口 渉氏と岡田 晃宜氏に、移行の経緯やその効果などについてお話をお伺いしました。

課題

サーバ運用や保守のリソースを削減し
付加価値の高い業務にシフトしたい

正栄食品工業株式会社
経営企画部 情報システムグループ課長
原口 渉 氏

── なぜオンプレミスから移行することになったのでしょうか。

原口: これまでは自社内にサーバラックを設置し運用していましたが、災害などによる故障リスクを鑑み、クラウド利用を検討しはじめました。

岡田: オンプレミスの構成では、災害により本社が機能しなくなった場合、本社以外の拠点での業務に影響が出るため、BCPを考慮しました。また社内リソースを、サーバ機器の定期更新や運用・保守といった業務から、もっと付加価値の高い業務へとシフトさせたいと考えました。オンプレミスでの運用・保守は非常に手間がかかる部分があり、リソース監視など人手を使って行っていたことも省力化できると考えたからです。

── オンプレミスだとOS、ミドルウェアのバージョンアップの作業も発生します。

岡田: ファイルサーバは、OSやミドルウェアの更新を行う必要もあり情報収集して対応しなければなりません。またデータ量も多くなり、リソース容量を拡張しなければならなくなったときに手間がかかります。しかし、クラウドならリソース容量の拡張を簡単に行えるので魅力でした。

── クラウド自体への不安はありませんでしたか。

岡田: 不安はありませんでした。それよりも、BCP観点から、社内にデータを保管するよりも、外部に設置することが安全性の観点から優れていると理解しており、クラウドファーストに取り組もうと考えていました。

導入システム

インテックを選んだのはAWSに関する
ナレッジと手厚いサポート

正栄食品工業株式会社
経営企画部 情報システムグループ
岡田 晃宜 氏

── インテックのAWS導入支援サービスやクラウド運用支援サービスを知ったきっかけはなんでしょうか。

岡田: EDI関係でおつきあいがあり、インテックの知見や技術力に信頼感があったため、お声掛けさせていただきました。

── 他社からのアプローチはなかったのですか。

岡田: 他社からもAWSに関する提案がありましたが、それはフルマネージドのサービスでした。この形態だと、有事の際に弊社側では何も触れずにお願いするだけになってしまいます。弊社としてはAWSに関するナレッジを蓄積したいこともあり、弊社がAWSの管理コンソールを操作しながら、サポートもいただける提案で、AWSに明るく支援体制が厚いインテックを選定しました。インテックはAWSの一般的なサポートに加えて、TISインテックグループの大規模AWS開発/運用案件のノウハウをプラスしてサポートいただけるため、大変心強いです。

── 決め手はサポート面ということですね。

原口: はい。またインテックの営業やエンジニアの方の献身的な提案・対応と人間性も一因です。

岡田: いい提案をいただけるというのもさることながら、課題に対して親身に対応していただけるのがよかったです。

効果と展望

監視ダッシュボードでサーバの状況を可視化
今後は社員の働く環境作りにも注力したい

── サーバの移行はいつごろから始めたのでしょうか。

原口: 2022年2月からです。ファイルサーバの移行自体はすでに完了しています。

── 移行時に想定外の事象は起こりませんでしたか。

岡田: 技術面の問題がありましたが、そこはインテックにフォローしていただき、大きな問題になる前に解消できました。移行後、使用感はオンプレミスのときと変わりませんし、レスポンスも落ちていません。スムーズに移行でき、大変満足しています。

── 管理面ではいかがでしょうか。

岡田: 今回、ファイルサーバのSaaS型サービス(Amazon FSx for Windows File Server)を導入したので、ハードウェア機器はもちろん、OSの管理などもしなくていいというのがよかったです。これにより、移行前の課題であった運用・保守に掛かる時間は削減できました。クラウド運用支援サービスの監視ダッシュボードを見ることで、ハードディスクの使用量やCPUのリソースをすぐ確認でき、確認したい期間を細かく設定できるため、今までと比べて利便性が大幅に向上しました。

── データのバックアップについてはいかがでしょうか。

岡田: 定期的にAWSのサービスにてバックアップを取っています。マルチAZ(複数データセンター)でバックアップが取得できている安心感がありますし、 何かあったときの復旧も手間なくできると思います。BCPという観点からも、仮に災害が発生し出社できなくなったとしても遠隔地からメンテナンスや復旧が可能になったことは大きいです。

原口: 現状、各端末のローカルに業務データがある状態であり、PCが壊れてしまうと復旧が難しいということもあるので、サーバにデータを集約してバックアップを取ることで、データの保全性を高めるようにしたいと考えています。

── AWSに移行したことで今後取り組みたいことはありますか。

岡田: ファイルサーバをクラウド上に移行したので、社外からでもファイルサーバに接続できるようにしたいと考えています。現状、社内網とAWSをVPN接続しており、社外から利用することを考慮した環境となっていません。そのため営業担当者が商談のために社内の情報を参照したいと思った場合、その都度帰社しなければなりません。営業商談数に影響することもあり、今後改善していきたいと考えています。

── インテックへの意見や要望はありますでしょうか。

原口: セキュリティ関連の提案も期待しています。

岡田: システムを活用した生産性向上策や働き方改革を考えていきます。さまざまな顧客をお持ちのインテックのノウハウ、技術力、情報によって、弊社が成長できるような提案をいただき、サポートしていただきたいと思います。

Client Profile 正栄食品工業株式会社様

明治37年に牛乳販売店として創業。昭和22年に現在の正栄食品工業を設立し、現在東京証券取引所プライム市場に上場している。製菓・製パンを中心とした食品業界向けに、原料乳製品、油脂類、製菓原材料類、缶詰類、乾燥果実・ナッツ類などの食品原材料の輸入、仕入、販売を主要業務としている。グループに製造会社(国内7工場、海外3工場の計10工場)を擁す。

会社名

正栄食品工業株式会社

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公開日 2023年10月11日

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