クラウド上に番組視聴データ集計システムを構築
低コストで集計業務の省力化とスピードアップを実現
さまざまな切り口での分析をタイムリーに

株式会社ケーブルテレビ富山様

  • クラウドサービス

ケーブルテレビ富山は、アマゾン ウェブ サービス(AWS)のマネージドサービスを活用し、テレビ視聴のためのセットトップボックス(STB)から収集した視聴データを集計・分析するデータ分析基盤を構築しました。導入の背景と経緯、効果について同社クロスメディアセンター副部長 中田直樹氏、課長代理 来海大介氏にお話をうかがいました(文中敬称略)。

課題

視聴データを担当者が手作業で集計・確認。視聴率把握にかかる時間と手間を減らしたい

株式会社ケーブルテレビ富山
クロスメディアセンター
副部長 中田直樹 氏

── 御社についてご紹介ください。

中田: 当社は1996年の開局以来、富山市(旧婦中町、旧山田村を除く)および舟橋村に多チャンネルの有線テレビサービスを提供しています。ケーブルテレビというリソースを軸に、インターネット、SNSなどを活用して地域の皆様とともに地域の抱える問題を考えること、地域の発展に貢献することを目指しています。

── 視聴率分析基盤の構築に取り組んだ背景を教えてください。

中田: 視聴データの集計は、以前はExcelを使った手作業で行っていました。自社制作3チャンネルについて一週間単位で集計するのですが、集計に2~3日かかることもあり、これを効率化して、誰でもすぐに集計できるようにするのが目的です。

来海: 何時何分に何台のSTBの電源が入っていて、どのチャンネルが視聴されていたかというデータはインターネットを経由して通信会社のサーバに蓄積されます。担当者はこれをダウンロードし、時間別の番組を記した編成データと突き合わせて、曜日ごと、番組ごとの視聴率や時間帯別の視聴率などを算出しています。

── この問題をどのように解決しようとしたのですか。

中田: 手作業で行っていたデータの突き合わせ・集計作業を自動化したいと考えました。また、新たにシステムを開発するならクラウドにしたいという希望がありました。従来は視聴率の集計結果ファイルへのアクセスは、社内から共有フォルダの階層をたどって探すか、メールや紙で配布されるものを参照することしかできませんでしたが、クラウドで誰でも好きな時にどこからでも見られるようにする方が良いと考えたのです。これなら集計作業もぼぼありませんし、在宅勤務中も簡単に対応が可能と考えました。

── AWSを利用することは当初から考えていたのですか。

来海: どのクラウドサービスを使いたいという具体的な希望はなかったのですが、インテックからAWSマネージドサービスの利用を強く勧められました。将来、視聴率の集計だけでなく、AIによる視聴傾向の分析などにも対応できる拡張性があるとインテックから説明を受け、採用を決定しました。

導入システム

AWSのマネージドサービスを活用。クラウド上で集計作業を自動化

── 導入開始から稼働まではスムーズに進みましたか。

中田: プロジェクトを開始したのが2021年11月で、2022年2月稼働ですから約3カ月で導入できました。新システムではデイリー視聴率、編成別視聴率、番組別視聴率、曜日別視聴率、時間帯別視聴率を集計していますが、アウトプットを表形式にすると決めていたのが納期の短縮につながったと考えています。

── 工夫された点、こだわったポイントを教えてください。

中田: 新システムは、単なる集計の自動化や見える化ではなく、今後のデータ活用のためのデータ分析基盤を作ることを念頭に置いて設計しました。特にデータの拡張性については検討を重ねました。必要なデータを取ることはもちろん、後々、加工しやすいようにしておくことが重要だと考えたためです。

株式会社ケーブルテレビ富山
クロスメディアセンター
課長代理 来海大介 氏

来海: 手動集計の時は視聴率を5分単位に丸めていましたが、新システムでは1分単位で視聴率が把握できるようにしました。

── SIerとしてインテックを選んだ理由を教えてください。

中田: SIerの選定に当たっては、われわれの方である程度基本となる仕様を固めた後、インテックと競合社の提案を受けて、初期費用、ランニングコストやシステムの詳細仕様などを含め、総合的に比較検討して判断しました。インテックはAWSの認定資格を持つ技術者が多く、環境構築から運用・監視までの幅広いサービスを提供している実績があるという点を評価しました。

効果と展望

省力化で担当者の負担を大幅に軽減。番組制作現場でのデータ活用も進む。今後はさらなる「見える化」へ

── 運用を開始されてどのような効果がありましたか。

来海: 視聴率の集計が数時間で済むようになりました。以前の集計作業はかなり特殊な作業で、担当者がやり方を覚えるのにも時間がかかっていました。新システムではサーバから視聴データをダウンロードしてAWSにアップロードするだけで済みます。

── 集計が5分単位から1分単位になって変化はありましたか。

中田: 番組中のどこで視聴率が上がり、どこで下がっているかがはっきりと目に見えるようになったことで視聴者ニーズが把握しやすくなりました。

来海: 番組の制作現場も「持続的に視聴してもらうにはどうしたらよいか」を自主的に工夫するようになりました。たとえば、情報番組でVTRの時は視聴率が上がり、スタジオに戻ると視聴率が下がるという傾向が見えてくると、VTR終了後のスタジオ展開で出演者がコメントを言い合うだけではなく付加情報を見せる、グルメや料理関連情報であればスタジオで試食をするといった数字を落とさない工夫をしています。

── 今後の展開についてお聞かせください。

中田: アウトプットをグラフ化したいと考えており、すでに検討を始めています。将来は天気と視聴率の関係など、他のデータと視聴率との相関関係なども見られるようにしていきたいです。

── インテックをどのように評価しておられますか。

来海: 今回のシステムは予算規模が小さかったにも関わらず、プロジェクトとして綿密なスケジュールを立て、進捗も計画通りに進めてくれたことには驚きました。

中田: 自社の中だけで検討しているとなかなか知恵がわいてこないのですが、インテックは他業界での経験も豊富で、そうした経験から来るフィードバックがもたらされる点を頼もしく感じています。今後も引き続きわれわれの力になってくれることを期待しています。

Client Profile 株式会社ケーブルテレビ富山様

富山市(旧婦中町、旧山田村を除く)および舟橋村をエリアとするケーブルテレビ会社。1994年設立、96年に開局・本放送を開始。現在はハイビジョン放送を含む80以上のチャンネルでテレビサービスを提供するのに加え、地域に密着した番組の制作・放送を行っている。2000年からは高速インターネットサービス、KDDIやソフトバンクと連携した固定電話サービス、スマートフォンサービスを提供している。

会社名

株式会社ケーブルテレビ富山

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公開日 2022年10月12日

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