DX対応の切り札、ローコード開発とは?

経済産業省が2018年に公開した「DXレポート ?ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開?」では、企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)対応の機会を逃せば、2025年に事業運営に関わるリスクが生じるといわれています。DXの推進は前途多難であるかのように捉えられがちですが、決してそのようなことはありません。DX対応の潮流のなか、いま注目されている手法が「ローコード開発」です。なぜローコード開発に注目が集まるのか、その理由を紹介します。

DX対応、機会を逃すと発生するリスクとは?

DXの対応に二の足を踏み、現状のシステムを維持し続けた場合、おもに3つのリスクが発生するといわれています。支出の増額といった金銭的なリスクから、時代の波に取り残されるといった企業の存在価値にかかわるリスクも指摘されているのです。

1. 既存のシステム保守費が高額になる(2025年の崖)

「DXレポート」の中で指摘があるように、既存システムの保守費が高額化することが予測されています。変化する状況に合わせて既存システムを更新し続けた結果、より複雑化したシステムとなる反面、取り残された古い技術を扱える人材が不足していくためです。この状況を避けるためには、早い段階でDXに取り組み、使いづらさと保守費の高額化が進む既存システムから脱却すべきとされています。

2. データの喪失やブラックボックス化が進む

上述したリスクと関連しますが、DXに取り組まないことでデータの喪失やブラックボックス化という、自社の財産を失うリスクも指摘されています。労働人口の減少やIT人材の不足が指摘されている現在、既存のシステム全体を把握できる人材を確保することが難しくなる可能性があります。古いシステムをクラウド化せずに使っていた場合、事故や災害の際にデータを損失してもデータの復旧ができないという事態も予想されます。企業の大切な財産であるデータを守るためにも、DXに取り組むべきなのです。

3. 市場の変化への対応が困難になる

現在、国内海外を問わずあらゆる業界でDXが進み、社会の需要や人々の生活、消費行動にいたるまで大きな変化が起こり続けています。DXに取り組まないでいると、刻一刻と変化する市場に対応できなくなるリスクが高まります。従来のビジネスモデルが、いますぐに通用しなくなるわけではありません。しかし、比較的変化が少ないといわれる業界に、異業種からの参入というような、これまでの常識では考えられない事態が起こる可能性があります。

DXでローコード開発が注目される理由とは?

DX対応で注目される「ローコード開発」

DXに取り組まないことのリスクは周知の事実ながら、DXに取り組むことに関してもまた、課題は存在します。社内環境の整備や初期投資、新しい技術の導入に備え精通した人材の確保など、経営者の頭を悩ませる課題は少なくありません。しかし、いま注目されている「ローコード開発」が、それらの問題を解決に導く可能性を秘めています。ローコード開発はなぜ注目されるのか、解説します。

1. 急激な環境変化に対応が可能

新型コロナウイルス感染症の急速な拡大によって、突然、先行きの見えない不安な世の中となったように、ビジネス環境が急激に変化してしまうことがありえます。新しい時代に対応するために新たなシステム構築を試みようとしても、従来のシステム開発手法では、完成までに数ヵ月以上かかります。その数ヶ月間のうちに、競合が適応して新たなビジネスチャンスを獲得しているかもしれません。しかし、ローコード開発を利用したシステム構築なら、最短数日で完成させることも可能なのです。世の中や業界の急な環境変化にも、迅速に対応できます。

2. 顧客ニーズの複雑化に対応が可能

スマートフォンの普及によって消費者の購買行動が変化したように、現代はこれまでにないほど複雑で多様化が進んでいます。社会や顧客のニーズに対応するために、ITの力を最大限に利用している企業が増えています。ここでも力を発揮するのが、ローコード開発です。購買行動の変化に対して、スピーディーな対応を実現するためには、開発期間を短縮する必要があります。ローコード開発を活用することで作業時間を抑え、顧客ニーズの変化に合わせたシステム開発や機能追加を進めることが可能です。複雑化するニーズをとらえ続けるのに効果的です。

3. 開発の技術的なハードルを下げることが可能

業務用アプリケーションを構築するためには、エンジニアの存在が必須です。しかし、世の中がDX対応に向かっている最中で、目的や条件に合う人材を確保できないという事情もあるでしょう。エンジニアが見つからないからといってDX対応を先延ばしにしていると、いずれ企業の経営に深刻な影響がおよぶ可能性があります。ローコード開発は、従来の開発に比べて技術的なハードルが低くなっています。そのため、簡単なアプリケーションであればエンジニアではない社員が開発することもできます。開発はエンジニアにしかできないという状態から脱却する手助けになるという点は、ローコード開発の大きなメリットといえるでしょう。

OutSystemsでのDX加速、そのメリットは?

DXを実現するために、ローコード開発は有効です。ローコード開発ツールは多数あります。なかでもOutSystemsは開発効率化、複雑な処理への対応、新しい技術への対応などでDXを加速させる、もっともすぐれたローコード開発ツールの一つです。では、OutSystemsがDXにどう役立つのか解説します。

メリット1:DXに必要なサービス、技術の利用

OutSystemsは、SOAP、REST API、SAPシステム、外部のデータベースシステムをサポートしているため、必要最低限の設定のみで接続できます。また、OutSystemsでは2,800種類以上のコンポーネントをオープンソース&無償提供されています。その中にはコネクター、API等の他システムに連携するためのコンポーネントも用意されています。つまり、DXにおいて重要なシステムに求められる技術との連携が比較的容易にできる開発ツールなのです。クラウドサービスの利用やAI等の新技術の利用、マイクロサービスの導入にも適しているといえます。

メリット2:システム開発のスピードアップ

OutSystemsではプログラムの作成や品質管理が自動で行われるため、作業コストや工数を削減できます。また、OutSystemsにはアプリケーション作成に必要な画面テンプレートや部品が用意されているため、すぐに利用できるほか、AIによる開発支援などシステム開発の効率を向上する機能も備わっています。
加速するビジネス環境に対応するためには、システム開発にもスピードが求められます。OutSystemsを利用することでビジネスチャンスを逃すことなく新しいサービス、システムのローンチが可能になります。

メリット3:変化するビジネス環境に対応

OutSystemsはシステム開発の効率化だけでなく、リリース機能など保守運用に必要な機能も備えています。これは、開発からリリースまでのサイクルの短期化につながり、アジャイル開発に向いています。アジャイル開発は、1週間から2週間で要件確認、設計、実装、テストを実施しシステムの機能をリリースする開発方式です。

DXを進める上では、新しいサービスを常に改善していく、新しい技術を試してみるなど、システムに必要な要件がすぐに変わるような状況が発生します。OutSystemsでアジャイル開発を行うことで、新たなビジネスに必要なシステムを試行錯誤しながら作ることが比較的容易になるのです。

まとめ

ローコード開発は、新たな開発環境をもたらすと同時にビジネスの加速を促す手法です。しかし、手軽なツールであるとはいえ、知識やスキルがないまま開発環境を構築できるソリューションではありません。適切な導入のためには、まずしっかりと理解を深めるところからはじめましょう。専門家に相談することも大切ですので、ぜひ一度ご相談ください。

また、世界的なトレンドとなりつつあるローコード開発をご検討中の方向けに、システム開発を変えDXを実現する、ローコード開発のお役立ち情報をまとめた資料をご用意しました。本書では、「開発生産性の向上」・「自社でGUIベースの開発によりプログラムの見える化」・「技術ハードルの低減」・「DXに対応する新技術の利用」というローコード開発の4大特長を基に、いま求められるローコード開発ツールの特長を詳しくご紹介しています!ローコード開発にご興味のある方はぜひご覧ください。

公開日 2021年04月28日

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  • システム開発を変えDXを実現する「ローコード開発」

    ローコード開発のメリット・代表的なツールのご紹介【全22ページ】
    1章 システム開発を変える!ローコード開発とは?
    2章 「2025年の崖」とITシステムの課題
    3章 DXを実現する!ローコード開発がもらたすメリット
    4章 ローコード開発を試してみよう

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