情報系基盤を全面的にAWSへ移行
クラウドの利用によってコストに対する意識が変化
AWSの構築・運用・監視はインテックがオールインワンで対応

── マネージドクラウドサービス on AWSの導入にはどのような準備をされましたか。

栃原： 各パッケージベンダーに移行について問い合わせをするなどの調整を行いました。その上でまずテスト環境に移行して問題ないことを確認してから本番環境へ移行しています。

── 導入時のインテックとのコミュニケーションはいかがでしたか。また導入時に問題はありませんでしたか。

栃原： インテックからは当行に常駐して管理・運用していただいているので、そちらの担当者と相談しながら進めました。パッケージベンダーとの打ち合わせなどにも参加してアドバイスをいただきました。これまでのシステムのことを熟知している方々なので大きな問題はありませんでした。

── マネージドクラウドサービス on AWS導入後は以前と比べて何か変わりましたでしょうか。

栃原： コストに対する意識です。これまでは定額でサーバを稼働させていましたが、AWSの場合は使った分の従量課金なので、これまであまり考えずに使っていたシステムについて、夜間使わないものは停止させてコストを下げるといったことを行うようになりました。また、クラウドの場合は必要最小限で構築して少しずつ増やすことができるので、いまは使わないのですが将来的に必要だからというコストが発生しないのはメリットです。

── 新たに生じた課題はありますか。

長谷： 不測の事態が起きたときに対する対策です。先日、能登半島地震が発生しましたが、AWSのデータセンターは耐えられるのか、東京や大阪に分散させなければいけないのではないか、というBCPの観点について考えて、再度検討していかなければならないと思っています。

効果と展望

サーバレスのサービスという選択肢が増え 自前のサーバを用意しなくていい

── マネージドクラウドサービス on AWSを導入したことで実現したことはありますか。

栃原： いわゆるサーバレスのようなサービスを利用するという選択肢が増えました。これまでは自前でサーバを立ててシステムを稼働させなければならなかったことが、サーバを立てなくても利用できるようになりました。また、既存システムの負荷分散にも使えるのではと思っています。

── マネージドクラウドサービス on AWSの導入を検討している企業にアドバイスはありますか。

長谷： クラウド利用の課題は、セキュリティや自社のデータを外部に預けることへの懸念から、社内で理解が得がたいことだと思います。現場ではクラウドを導入していかなければという危機感はありますが、経営側に案を上げた途端に話が通らないというギャップがあります。そうしたとき、最終的な理想ではなく、スモールスタートでやってみるという提案をするのがいいと思います。

栃原： コスト面では、従来通りに物理サーバを用意すると大きな初期コストをかけなければなりませんが、クラウドではランニングコストだけで済みます。またセキュリティ面でも、最近よく話題になるインシデントの多くが設定ミスです。しかしマネージドクラウドサービス on AWSなら、専門知識を持つインテックの担当者に構築からお願いできるので、安心して運用できます。

── インテックへ今後の要望はありますか。

長谷： 一番聞きたいのは事例です。導入してどう変わったのか、社内コンセンサスをどう取ったのか、という事例をどんどん開拓していただきたいと思います。

栃原： 現場からの要望としては、本格的に導入を決める前にテスト環境があると非常にありがたいです。社内の経営側に説明する際も、テスト結果があると納得を得られやすいです。インテックには今後も期待しています。