オンプレミスVDIをクラウドVDIに移行
コロナ禍でのハイブリッドワークを実現し、今後を見据えた柔軟な働き方を可能に

株式会社インテック

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インテックではコロナ禍における在宅勤務への対応、柔軟な働き方実現という2つの課題に対応するため、オンプレミスの仮想デスクトップ環境(Virtual Desktop Infrastructure:以下VDI)を、 CitrixのDaaS(Desktop as a Service)とMicrosoftのAzure Virtual Desktop(AVD)を用いてインテックが提供するクラウドVDI「マネージド型仮想デスクトップサービス」に移行しました。
これによってオフィスワークとリモートワークを状況に応じて選択可能なハイブリッドワークを実現しています。インテック 管理本部 情報システム部の金平 剛が解説します。

課題

コロナ禍での在宅勤務対応。新事業所におけるPC環境構築。「今すぐ」と「今後」の検討が急務に

株式会社インテック
管理本部 情報システム部
金平 剛

インテックがクラウドVDIの導入に踏み切った背景には、「コロナ禍における在宅勤務率の向上」「事業所移転に伴うPC環境の整備」という2つの課題がありました。
新型コロナウイルス感染症の流行を受け、インテックでも在宅勤務の拡大が求められました。コロナ禍以前の在宅勤務率は1%以下でしたが、これを70%まで引き上げることが目標となったのです。
インテックでは2014年からセキュリティ強化のためにオンプレミスのVDIを導入していましたが、その後はデスクトップPCへの回帰が進み、VDIは廃止を検討していました。こうした状況の中、短期間で社員に在宅勤務環境を提供するため、情報システム部では、自宅からオフィスの自席PCにリモート接続できる環境を3,000名分用意しました。画面転送型、ユーザー認証はアクティブディレクトリ連携、利用状況は一元管理できるリモート接続環境を導入し、約1カ月後にはほぼ全ての社員が在宅勤務可能となりました。
しかし、その後のアンケートで「リモート接続で業務の生産性が低下した」という声が多く上がりました。「画面操作が遅延する」「マルチモニタに対応していない」「会社のPCの電源が入っていないと操作できない」といった点が問題として浮かび上がりました。
一方でインテックは東京本社の移転を控えており、これを機に、仕事の内容や気分に合わせて働く時間や場所を選べるABW(Activity Based Working)の実現を目指したいと考えました。
これを受けて情報システム部は、「リモートワークでも生産性は維持したい」「オフィスワークとリモートワークを状況に応じて柔軟に選択したい」「新オフィスでのABWを実現したい」という3つの要件を満たすべく今後のPC環境を検討することになりました。

導入システム

VDI+シンクライアント端末を標準に。クラウドVDI基盤を構築

インテックでは主にデスクトップPCが利用されてきましたが、持ち歩きが増えることを想定して、今後はノートPCの利用を推奨すると同時にセキュリティを強化するという方針を立てました。
新たなPCの標準環境については「VDI+シンクライアント端末」と「ゼロトラスト端末」が候補に挙がりました。「VDI+シンクライアント端末」では、処理はサーバー側で行い手元にあるクライアント端末には画面情報だけが転送されてきます。これに対してゼロトラスト端末とは、ゼロトラストセキュリティの考え方に基いたFATなPC端末のことです。
ゼロトラストとは、端末が社内ネットワーク内にあるか、インターネット経由でアクセスしてきたかどうかを問わず、そのアクセスを信用することなく(ゼロトラスト)、より厳格に認証を行ってアクセス制御やセキュリティ対策を施すという考え方です。
情報システム部は社内システムがオンプレミスであること、ゼロトラスト端末には情報の「紛失」というリスクがあることを考慮して、「VDI+シンクライアント端末」を標準PC環境とすること、3年後までに社員3,500名に対して導入することを決めました。
VDI基盤に関しては、当初、従来から利用していたオンプレミスVDI基盤の更改・拡張という方針を立てましたが、オンプレミスVDIには様々な課題がありました。OSやアプリの更新を社員がそれぞれ行う必要があるなど利用者の負担が大きく、管理者もVDI機器の管理が必要ですが、利用頻度の低いVDIも多く、適切な設備管理ができているとは言えない状況でした。拡張するにしても、計画通りに移行が進むかどうかが不明瞭なのも大きな問題でした。
これらの課題の改善策がクラウドVDIの導入でした。オンプレミスVDIと同等の使い勝手やセキュリティを維持しつつ、VDI基盤のための機器を保有・管理する手間やコストも不要になり、利用者の増減にも柔軟に対応可能です。
インテックではCitrix DaaSとAVDを組み合わせたVDI基盤を採用しました。AVDはMicrosoftのAzureで提供されるVDIですが、Citrix DaaSと連携することにより、多様で高度な管理機能を利用することができます。
Citrix DaaSの閉域網接続サポート機能でAVDを社内LANとして使用することができるため、快適なレスポンスを実現できます。Citrixの既存のライセンスを下取りする制度を利用してライセンスコストの低減も実現しました。
実際にハイブリッドワークを実現するには、VDI環境に加え、別々の場所で働いていてもコミュニケーションを十分に取れることが重要になります。そこでインテックでは、全社員にZoomとTeamsのアカウントを配布し、社内のテレビ会議システムもZoom対応のものに刷新しました。

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導入効果

管理工数やコストを削減。ビジネス環境の変化へも柔軟に対応。今後は開発業務にもVDI導入へ

インテックは、クラウドVDIによる新たな社内PC環境構築には3つの大きな効果があったと評価しています。

1. 社内DX推進の人員確保
移行前のオンプレミスVDI基盤は40台以上の機器で構成され、導入時期や機種が異なっていたため、多くの管理工数がかかっていました。クラウドVDIへの移行後はこれらの作業が不要となり、システム部門の人的リソースをDX推進に充てられるようになりました。「守り」の人員を「攻め」に転用できたのです。
2. 急激な環境変化にも柔軟に対応可能に
移行前はVDI利用者が急増しても、基盤のリソースに余裕がないため対応できないことがありました。一方で、コロナ禍直前の利用者は最大時よりも500名減少しておりリソースに無駄が発生していました。クラウドVDI への移行後は「今から数カ月だけ500名分用意してほしい」といったニーズにも無理なく対応。「プロジェクトが終了したら500名分を返却したい」という場合も費用の無駄なく対応できます。ITシステムが柔軟に対応できることで、ビジネスの変化に対して足かせにならず、むしろ加速させることができるようになりました。
3. コスト削減
移行前のVDIは1人が1つのOSを占有する方式で、通常のPC同様にOSやアプリの更新などを各自が行う必要がありました。またVDI基盤を構成する機器の電源は常時ONで多くの電力を消費していました。クラウドVDIへの移行後は利用者の半数がOS共有方式となり、管理者が一括してOSやアプリの更新を行えるようになりました。また、VDI基盤のための機器を購入する必要がなく、機器コストも削減できました。さらに、Citrix DaaS+AVDの「オートスケール」機能により、利用していない場合はVDIの電源はOFFとなり、これによってAzureの利用コストを抑制できるようになりました。
インテックではさらに、「より高スペックなVDIを提供して開発業務もハイブリッドワークの対象とする」「既存のファイルサーバーをクラウド対応にリプレースして拡張性と高度なBCP対策を実現する」「クラウドのデータ分析基盤を活用して人事情報を分析する」等の社内ITインフラの強化を行っています。
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公開日 2022年10月12日

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