事例紹介

お客さまの導入事例やシステム構築例をご紹介します。システムやサービスの導入検討に、せひお役立てください。

クラウドを併用したデジタル化プラットフォームで
文書管理、外部連携、顧客情報の一元化を低コストで支援
業務の効率化、迅速で高品質な経営支援サービスの実現へ

  • 富山県信用保証協会様
  • 商品・サービス:

富山県信用保証協会は、県内の中小企業・個人事業主への信用保証、および経営支援を行っている公的機関です。同協会は、文書のデジタル化や顧客情報の一元化に向けてMicrosoft 365を利用したデジタル化プラットフォームを導入し、全国の信用保証協会では初のクラウドサービスを活用した機関として注目されています。そんな同協会の導入の背景や取り組み、効果について企画総務部長の寺西 一彦氏、同部企画情報課長の相川 和也氏、同部企画情報課課長の石川 典文氏にお話を伺いました。

課題

紙の保管コストと紛失リスクの削減 顧客情報の集約化で経営支援に活かしたい

― デジタル化を導入された業務についてお聞かせください。

石川:信用保証協会は中小企業が金融機関から融資を受ける際の保証人となる機関です。利用される企業からは、信用委託申込書や決算書、謄本など数多くの必要書類が紙で提出されます。それらの資料を見て審査をし、最終的にはファイルに綴って保管しています。入り口から出口まで、紙で管理している状況でした。

― 紙での管理にはどのような問題がありましたか。

石川:いちばんの問題は保管コストが膨大であることです。約1万4000社を超える利用企業の書類をすべて紙で保管しているため、書庫の維持や拡張費用が大きな負担になっていました。また、書類の審査から決裁まで紙で回覧するため、紛失リスクがあることも問題でした。お客さまの大切な情報ですから、紛失リスクを防ぐために、紙の取り扱いを極力減らすことが課題です。

相川:2018年4月に信用保証協会法が改正され、信用保証協会の業務に経営支援が追加されて、顧客情報管理が重要になった点も大きいです。これまで自協会のシステムで管理していた顧客情報は、決算情報や創業年月日などの定量データのみで、ビジネスモデルや経営課題といった定性データは、担当職員が個人的にExcelファイルやメモを取って管理しているだけでした。こうした個々の職員が集めた定性データを一元管理して経営支援に役立てることも課題の1つです。

― これまでデジタル化が進まなかった要因は何でしょうか。

石川:自協会の基幹システムや職員のPCはすべてインターネットとは完全に分離されています。そのため当初はクラウドを使う概念がなく、オンプレミス環境での電子保存やCRMシステムを個別に導入する前提で検討を進めていました。しかし、いずれも自由度が低く、費用面でも難しいことがわかり、クラウド型のサービスを検討することになりました。

導入システム

導入コストを抑えられ、拡張性の高さからMicrosoft 365を採用

― デジタル化を導入された業務についてお聞かせください。

相川:コンサルティング期間はコロナ禍で移動制限があり、実際の現場を見てもらうことができず苦労しました。紙があふれている職場や書庫の実態を正確に伝えるため、カメラで各部署を撮影して回りました。

石川:調査分析の結果、3つの課題解決が提案されました。1つは協会内の文書のデジタル化、2つ目は外部とのデジタル連携、3つ目が経営支援に関わる情報の一元管理です。

― Microsoft 365導入の決め手となった点は何でしょうか。

相川:第一は、初期費用の低さです。文書管理だけでなくCRMの構築もでき、個々のシステムを導入するよりも費用が抑えられます。さらに、ローコード開発ツールの活用で、簡単な改修であれば内製化が可能になる点が大きな決め手となりました。

― オンプレミスとクラウドは、どのように使い分けていますか。

石川:主業務の基幹システムはオンプレミス環境で作業しており、各職員の既存PCはインターネットに接続できません。Microsoft 365導入にあたり、全職員にインターネットにつながるノートPCを購入し、2台のPCを使い分けています。

― セキュリティ面での不安はどのように解消されましたか。

相川:セキュリティ対策として、Microsoft 365 Business Premiumプランを選択しています。万が一、PCの置き忘れや紛失した場合も遠隔でデータを消去できるので安心です。

効果と展望

内製でシステム改修に対応 システムをより使いやすいものに

― 書類のデジタル化の進捗状況はいかがですか。

石川:2023年4月以降、利用企業から届いた紙書類をスキャンしてPDFで保存する作業を進めており、現在、約10万件が電子保存されています。保証申し込みについては全国信用保証協会連合会が開発した「信用保証協会電子受付システム」による申し込みを受け付けており、徐々にデジタル化が進むと予想しています。

― 顧客情報の一元化についてはいかがですか。

相川:経営支援部門で運用を開始し、顧客の面談記録を入力して数字で表せない情報も一元管理しています。決算情報などは基幹システムからクラウドサービスに反映する仕組みを構築し、キャッシュフロー計算書や、ローカルベンチマーク(※1)などを自動計算できるようにしています。

― 職員の方への説明会やトレーニングなどは行われましたか。

石川:最初のデモンストレーションではあまり使われなかったため、導入1カ月後に研修会を開き、使い方を丁寧に説明しました。

相川:研修を通して職員から要望を聞き、書類を回覧する際のチェック機能を追加するなど、システムの使い勝手も改善しています。経営評価の指標などは時代によって変化するので、メンテナンスを内製化することで長期的なコストの削減も期待できます。

― 内製化の体制はどのように構築されていますか。

石川:今回のシステム開発を始めた時期に、Microsoft 365の開発ができる人材を採用しました。現在は私と2人体制でメンテナンスを行っています。内製の場合、現場の意見を聞きながら柔軟に開発を進められるのがメリットです。

― デジタル化により業務の効率化は図れましたか。

相川:経営支援では、決算書やローカルベンチマークといった企業情報を目の前のPCですばやく確認でき、とても効率的になりました。電話相談や面談の際にも、すぐにデータを確認して適切なアドバイスができ、業務品質の向上にもつながっています。目指すのは病院の電子カルテのようなシステムで、顧客情報の集約化を進めることで、経営支援の大きな武器になると考えています。

― 今後、取り組みたいことはありますか。

石川:現在、Microsoft 365をベースに勤怠管理システムの開発を進めています。また、ノートPCを外部に持ち出して経営支援業務への活用や協会内部のさらなるデジタル化を検討しています。

― 全国の信用保証協会の方へのアドバイスをお願いします。

寺西:どの協会も同じだと思いますが、基幹システムは紙をベースにしており同様の課題を抱えているはずです。本来であれば、協会全体で統一できればいいのですが、なかなか難しく、今後も取り組んでいければと考えております。

石川: DXの進め方に正解はありません。我々は先陣を切ってクラウドサービスを使い始めましたが、まだ試行錯誤の状態です。不安や失敗があっても前に進まなければ時代に取り残されてしまいます。デジタル化を通じた業務効率化と顧客サービス向上のために一緒に取り組んでいけたらと思います。

(※1)企業の経営者と金融機関・支援機関を交えて対話を行い、企業の経営状態を把握して現状や課題を相互理解するためのツール

Company Data

富山県信用保証協会様

富山県内の中小企業が金融機関から融資を受ける際に保証人となり、円滑な資金調達ができるようにサポートする公共機関。2018年4月からは信用保証業務に「経営支援業務」が追加され、起業前の悩みや不安を抱える方々をサポートする「創業支援」、経営上の課題を解決する「経営改善支援」といった、企業のライフステージに応じたさまざまな経営支援を行っている。

導入事例

※本事例の情報は、2023年9月現在のものです。

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当事例のお問い合わせ先

北陸産業事業本部 金融システム部
TEL:050-1704-0541
Mail:hokukin_eigyo@intec.co.jp

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