AI・データ分析のPoC実施基盤に
コンテナ管理プラットフォームを導入
実証実験環境構築の効率化とコスト削減を実現

株式会社三菱UFJ銀行様

  • AI/RPA
  • 銀行

三菱UFJ銀行では、行内クラウド基盤上に構築したAI・データ分析のPoC(実証実験)環境をコンテナ化し、kubernetes(クバネティス)によるコンテナ管理プラットフォームを導入しました。

デジタル変革で金融業界をリード

三菱UFJ銀行は「金融とデジタルの力で未来を切り開くNo.1ビジネスパートナー」を目指す三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)傘下の、日本を代表するメガバンクです。
同行は2021年4月に全行的なDXを牽引するデジタルサービス事業本部を設立。最近では量子コンピュータによって様々な金融問題を解決する研究に取り組むなど、DXにおいても金融業界を牽引しています。

課題解決のためのPoC環境にコンテナ技術を適用

業務データを容易にかつ大量に収集できるようになった今日、経営上の施策や意思決定にAIやデータ分析を活用する動きが盛んになっています。同行でも、AI・データ分析を利用したPoC(実証実験)を各事業部門が自律的に行うための「データ分析民主化環境」(以下、民主化環境)を行内クラウド基盤上に構築し、2018年11月から運用してきました。その背景には、金融商品のターゲットとなる顧客を的確に絞り込んでリコメンドしたいというマーケティング上のニーズや、貸付業務における審査プロセスの効率化、与信管理・リスクヘッジの高度化といった課題がありました。
この民主化環境はPoC案件ごとに行内クラウド基盤上に仮想サーバを個別に立ち上げるという形で運用されていましたが、行内クラウド基盤はセキュリティ上、インターネットなど外部のネットワークに接続できない仕様のため、PoC環境の構築・管理に多くの人的負荷と時間がかかっていました。
そこで同行は、クラウド基盤へのコンテナ技術利用を決断しました。コンテナとはOS上でアプリケーションの動作環境を仮想的に区切る技術で、アプリケーションの稼働に必要な各種リソースをパッケージングしたものです。個々のコンテナはOSを含まず、仮想サーバに比べてリソースが節約できること、コンテナは複製が容易で環境構築がしやすいこと等のメリットがあります。
コンテナ化の開発はインテックが担当しました。Docker※1によるコンテナ化とkubernetes※2を使用したコンテナ管理プラットフォームを構築し、2021年9月にはコンテナ化された民主化環境がリリースされ、現在まで様々な課題解決のためのPoCに利用されています。
インテックに依頼した理由について、同行デジタルサービス企画部DX室新事業グループ上席調査役尾高雄一郎氏は、「民主化環境の運用・保守を長年担っていたため、インテックは当行のシステムインフラ、行内のルールや手続きにも精通しているので、効率的で確実だと判断したためです」と言います。

  • ※1Docker:Docker社が開発したコンテナ実行環境。1台のコンピュータ上に隔離された実行環境(コンテナ)を構築するソフトウェア。
  • ※2kubernetes:コンテナ管理や他のサーバとの連携を行うためのオープンソースソフトウェア。

顧客データの分析と情報セキュリティを両立

コンテナ化によりPoC環境の構築は大きく変わりました。「AIの分析ツールや必要なライブラリのインストールは、これまではUSBやDVDを介して、セキュリティ対策のなされた端末を使って行う必要がありました。コンテナ化してからは、オフラインでコンテナの稼働イメージを作っておいてコピーできますので、作業は大幅に効率化し、案件ごとのカスタマイズも容易になりました」(デジタルサービス企画部 DX室 新事業グループ 調査役 久木徹氏)
また、今回のコンテナ化により顧客情報を利用したPoCを実施するハードルが下がったといいます。
「銀行のITシステムは、顧客情報の管理に厳しい制約があります。民主化環境は、もともと情報セキュリティ要件をクリアする環境として構築されていたため、実際の業務データを参照したPoCも実施できたのですが、今回のコンテナ化によって、より機動的にPoCを実施できるようになり、管理もしやすくなったため、事業部門の負担が軽くなりました。それと引き換えに、私たちはユーザー管理やアクセス管理の厳しい運用を求められるわけですが、そこでもインテックの力を借りています」(尾高氏)
同行ではこれまでに約30件ほどのPoCを行いましたが、その中から本番業務での運用に至る案件も出てきました。その例が、同行全体の資金調達や運用状況を管理するトレジャリー業務の高度化や、与信業務におけるリスク管理・リスクヘッジの高度化です。「当行の取引規模となると、預金やローン、為替、市場取引による資金調達・運用等で数十兆円規模の資金が動きます。収益性の確保とリスク軽減の両立が課題です」(尾高氏)

専門人材を育成しAI・データ分析を支援

同行では1年ほど前から「AIを利用するスキルがない、データ分析のできる人材がいない」部署のためのPoC支援プロジェクトを開始しました。成功事例が出てきたことも追い風となって、1年間で十数件の支援依頼がありました。
また、同行のシステム部門はデータ分析の専門家の育成に取り組んでおり、育成された人材が支援プロジェクトに加わることで、より高度なPoCも行えるようになってきました。
尾高氏は民主化環境の構築とコンテナ化を実現したインテックの技術力を高く評価しており、「向上心があり、知的好奇心の高い技術者を擁するインテックには大いに助けられています。いまや銀行にとってDXはビジネスそのものです。今後も技術面での協力に期待しています」と述べています。

文・上田純美礼 撮影・加藤昌人

右から、三菱UFJ銀行 デジタルサービス企画部 DX室 新事業グループ 上席調査役 尾高雄一郎氏と同グループ 調査役 久木徹氏
  • 本件に関するお問い合わせはこちら

Client Profile 株式会社三菱UFJ銀行様

会社名株式会社三菱UFJ銀行
本社東京都千代田区丸の内二丁目7番1号
URLhttps://www.bk.mufg.jp/
従業員数30,554名(2021年3月末現在)
導入事例pdf
  • 本事例の情報は、2022年2月現在のものです。
  • 本文中の社名、製品名、ロゴは各社の商標または登録商標です。
  • 本文中に記載されている事項の一部または全部を複写、改変、転載することは、いかなる理由、形態を問わず禁じます。
  • 本文中に記載されている事項は予告なく変更することがあります。

公開日 2022年03月01日

お問い合わせ

インテックへのお問い合わせは、こちらからお願いいたします。

Webから問い合わせる
ページトップへ戻る