イノベーションは「共創」から生まれる
──若き挑戦者たちが語る、新規事業の醍醐味と情熱

Special Feature
公開日:2025.12.17

人口減少や多様化する社会課題を背景に、企業の存在意義が問われる現代。ITサービスを提供するインテックでは、次なる成長の柱を生み出すため、若手社員を中心とした新規事業創出に注力しています。
今回は、その最前線で活躍する28~30歳の若手社員が、「新規事業への挑戦」や社内外のパートナーと「共に創る(共創)」ことで得られた成長、そして仕事の醍醐味について語り合いました。
登壇者は、育児社員のD&I支援サービスを担当する渡邉 彰吾、人流データ活用による地域DXに取り組む白鳥 穂乃香、次世代ホログラフィックディスプレイを活用した「PROTO事業」のサービス開発を担う中西 諒真の3人です。


取材・文:飯島範久/撮影:岡田清孝

若手社員が語る!新規事業に飛び込んだ理由

── インテックでは新規事業創出にどのように取り組んでいるのでしょうか。

ビジネスイノベーション事業部
クロスインダストリー企画部
白鳥 穂乃香

白鳥: インテックでは、まず各事業本部の中に新規事業やサービスを企画する部門があり、各事業領域において日々、新規事業やサービスの創出に取り組んでいます。そして、私たちが所属するビジネスイノベーション事業部は、社会課題解決の領域を中心に、各事業本部と協働で新規事業に取り組んでいます。5年後や10年後といった未来の市場を見据え、当社の柱となるような事業を創出することが大きな役割です。
事業化プロセスとしては、小規模なプロジェクトを並行で立ち上げて試行錯誤を繰り返し、事業の種(プロセス0→1)を育てます。そこから徐々にステージを上げ、最終的にコア事業にしていくプロセスを推進しています。また、私たちの事業部の特徴として、各事業本部で経験を積んだ社員が、新規事業への思いやスキルを持って公募によって集まっています。

── 既存事業から新規事業へ異動したきっかけを教えてください。

ビジネスイノベーション事業部
ビジネスイノベーション部
中西 諒真

中西: 私の原動力は、「自分たちの力で考えたアイデアで世の中を面白くしたい」という思いでした。もともと、金融システムの開発に携わっていましたが、金融業界は失敗が許されない領域のため、挑戦することに比較的慎重な環境だと感じていました。自分としては、勢いよく挑戦し、失敗を恐れない環境のほうがより自分の力を発揮して会社に価値を出せると考え、公募で今の部所に異動しました。

白鳥 私は大きく2つの理由がありました。1つ目は、前部所で電子カルテシステムの導入や保守に携わっていた際に、病院や診療所間で情報連携が十分に進んでおらず、非効率な運用が残っている現状を見て、ITで解決したいと感じたためです。2つ目は、入社当時から興味のあった画像解析のような先端技術を活用して、新しい事業を生み出したいという思いです。こうした思いから、医療分野だけでなく、少子高齢化といった社会課題解決につながる事業企画に挑戦したいと考えました。

ビジネスイノベーション事業部
ビジネスイノベーション部
渡邉 彰吾

渡邉: 私は、もともと所属していたコンサルティング部所が新規事業部門に変わる流れでそのまま入った、少し特殊なケースです。しかし、ほかの部門に異動したいという希望は特になく、社内で前例のないことに挑戦することに「すごくワクワクする」という気持ちが強くありました。この部所は、受託開発が基本だったインテックが「自ら価値提案をして攻めていく」方針の先駆けになるということで、そこを任せられるのは身が引き締まる思いで取り組んでいます。

若手だからこそ挑む「社会課題×共創」

── 皆さんが担当されている事業内容と、解決しようとしている社会課題について教えてください。

渡邉 私の事業は、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)領域における最初のテーマとして、特に課題感の強い育児社員の課題解決にフォーカス新しいタブで開きますしています。育児と仕事の両立をする方は、キャリアアップを諦めてしまうことが非常に多いという現状があります。そこで、「こういうふうに働いていきたい」という思いを諦めずにサポートできるサービスを作り、社会に貢献することを目標に掲げています。事業としてはキャリア支援や育児における不安の軽減などで、企業の人事部をターゲットに、従業員のモチベーションを高めていくことで、離職率の軽減を目指しています。

白鳥 私が取り組んでいる地域DX事業は、複雑化・多様化している課題、例えば医療など単独の領域だけでは解決できない課題に対し、地域全体をデジタル化することで解決に導くことを目的にしています。地域が持つさまざまなデータを、分野を横断して収集・利活用し、地域内のDXを進めています。その中でも現在は「人流データ」に注目新しいタブで開きますしており、お客さまとの対話の中で「新たなまちづくりに活用したい」という、にぎわい創出に向けたニーズや、「安心・安全なイベント運営に活用したい」という混雑緩和のニーズなど、さまざまなニーズに対する指標として活用できることに気付き、取り組んでいます。

中西 私の「PROTO事業」は、アメリカのPROTO社が開発した次世代ホログラフィックディスプレイを活用新しいタブで開きますした、技術寄りの新規事業です。立体的な映像が特徴のこのデバイスに、AIアバターを映し出し、会話による接客業務の代行を目指しています。人材不足という社会課題に対し、人の代わりにAIを働かせることで、持続可能な社会に貢献することが狙いです。

中西が担当するPROTOの活用例

予期せぬ出合いが事業を加速させる

── 今回のテーマである「共創」について、具体的なエピソードを教えてください。

渡邉 私のD&I支援事業は、パートナー企業との共創、そして大学との共創が欠かせません。まず、パートナー企業とは、同じD&Iの世界観を持つ広告代理店など複数社と進めています。IT出身の私たちだけではシステム寄りの考え方に偏りがちですが、全く違う考え方を持つ異業種の知見を取り入れることで、自分たちでは考え付かなかったアイデアがどんどん想起されています。また、パートナー企業が持つ専門家による講座やコラムといった非ITサービスを取り入れられたことで、サービス提供の幅が大きく広がりました。
そして、大学との共創は、まさに幸運な出合いでした。育児社員の方々にインタビューを重ねても、家庭環境や働いている環境、子どもの人数など状況が多様すぎて共通する課題を捉えるのに悩んでいました。そんなとき偶然、筑波大学で育児社員の心理変容に関する研究が行われていることを知り、その論文を読んだところ、内容が私たちのサービス設計と非常にマッチしていたのです。さらに、検討チームのメンバーに、その大学のキャリア支援の指導者向け講座を受講した者がいたというつながりもあり、学術指導をいただけることになりました。

中西 偶然が重なることってあるんですね。砂漠からダイヤモンドを見つけたみたいな。

渡邉 学術的な実績とロジックを基に課題の共通項を見つけられたことで、それまであいまいだった課題解決の方向性を、自信を持って進められるようになりました。大学側も研究結果を社会に役立てたいという思いを持っていたので、「見つけてくれてありがとう」と非常にWin-Winな関係性でスムーズに進められています。

白鳥 私が手掛ける地域DX事業では2025年の夏、秋田ケーブルテレビと共創し、「秋田竿燈まつり」の安心・安全な運営を実現するための実証実験行いました。従来の人手が必要な有人カメラでの中継において、人員が多数必要になることやそのスケジュール調整に時間を費やしているという課題に対し、定点カメラとAIを活用した混雑状況のデータ収集・可視化を提案し、実施しました。
特に共創という観点では秋田ケーブルテレビと対等の立場で議論を重ね、長年お祭りを支援してきた秋田ケーブルテレビの知見を生かしながら、的確なカメラの設置場所や撮影範囲を検討し、企画をブラッシュアップしていきました。
実証実験の結果を踏まえ、混雑状況を数値化したデータをヒートマップ表示やアラート通知等に活用し、警備会社や交通事業者、周辺の飲食店に情報提供することで、翌年度の警備計画や交通機関の効率化、地域経済の活性化にも貢献できると考えています。今回、地元企業である秋田ケーブルテレビとの共創により、地域のにぎわい創出や生産性向上をデジタル技術で支援できる可能性を見いだせたことは、大きな成果だと感じています。
私たちは今後も地元企業と共創し、地域課題の解決に取り組んでいきたいと考えています。

白鳥が取り組んでいる地域DX事業のコンセプトとAIカメラを活用した「人流・交通量データ」取り組み事例

中西 私のPROTO事業は、アメリカのスタートアップ企業との共創が軸となっていて、日々驚きや面白さを感じつつ、苦労する場面も多々あります。というのも、PROTO社に加え、AIアバターのサービス提供会社もスタートアップ企業のため、新しい技術と出合える反面、システムの動作が不安定になりがちなのです。例えば、OSをアップデートすると動かなかったり、致命的なバグが発生したりと、我々が対処できないところでさまざまなことが起こっている、という状況です。
しかし、スタートアップとの共創はメリットも大きいです。製品として非常に面白いものであり、新しい機能の追加を頻繁に行っており、こっそり搭載した機能に対し「これ開放してよ」といった交渉をしています。当社の安定した基盤を生かしつつ彼らのとがった技術とコラボすることで、より面白いものを生み出せる点が、この共創の大きな魅力だと思います。

インテックの若手が身に付けた「挑戦のマインド」

── 新規事業への挑戦を通して、身に付けたスキルやマインドセットを教えてください。

渡邉 私の場合は、市場調査力とアイデアの提案力、そして合意形成のリーダーシップ力が大きく向上したと感じています。アイデア出しでは、アイデアと市場のニーズ、差別化ポイントを明らかにするといった勘所が身に付き、説得力とアイデアの確度が高まったと思います。また、多様な意見をまとめる際は、中庸を選ぶのではなく、必ず1つの軸を持って決め、ダメなら別の方法を試すという「決断力」が身に付きました。

渡邉が手掛ける「育児社員ライフキャリア支援サービス」のサービスコンセプト

白鳥 私は、「手段先行」から「目的先行」への意識改革が最も大きな成長だと考えています。お客さまのニーズに対し「なぜそう思ったのか」という目的や背景を深掘りし、本当に実現したい目的を明確にする姿勢が身に付きました。社内の先輩方からも「手段先行になっているよ」と指摘を受けることで、考え直すきっかけになり、より深い議論ができるようになったと感じています。

中西 私が身に付けたのは「自分ができないことはできないと素直に言う」というマインドセットです。新規事業はスピード感が命なので、できないことに悩み続けるよりも、得意な人に助けを求めるほうが、より早く、より価値の高いプロダクトを作ることができます。このマインドによって、いろんな人を巻き込みながら仕事を進めるスキルが向上したと思います。

白鳥 「できない」ってなかなか言えないですね。「やりたいです」という気持ちを優先してしまうので。

中西 すぐ諦めるという意味ではなく、自分が活躍できる範囲は積極的にやるという前提の上で、見極めることが大切だと思います。

渡邉 それは「やめる」と言えない状況にも似ていて、プロジェクトも一度始めてしまうと、成功するために頑張り続けてしまい、「やめる」判断を下すハードルが高くなりがちだと思っています。「できないからこれはやめよう、だから別の方法を試そう」という区切りは大事な部分だと考えています。

白鳥 リソースが限られている中で何をしないかを選択することはすごく大事で、無理やり苦手なところはやらずに、得意なところを一生懸命伸ばしてチームに貢献するという考え方が、まさにインテックの新規事業推進に必要な姿勢だと感じています。

── この仕事の醍醐味、やりがいについて教えてください。

中西 チームメンバー全員が、得意な場所で最高のパフォーマンスを出せている状態が一番気持ちいいです。荒削りな企画案が、みんなの議論と改善を重ねて良いものになっていく、その過程が楽しいです。

白鳥 事業展開を企てる時間、特に共創パートナーや社内のさまざまなメンバーと案を出し合い、新たな発見につながっている時間がワクワクして好きです。課題解決だけでなく、その取り組みの恩恵をステークホルダー全員に届けられる企画としてブラッシュアップできたとき、大きなやりがいを感じます。

渡邉 アイデアが形になっていく過程が楽しいです。直近のエピソードですが、初めて1社と契約が成立してサービスが売れたときは、これまでにないほどの感動を味わいました。ようやくアイデアが世の中に認められ始めて「1が10になるスタートラインに立てた」ことに成長を感じています。また、仕事をする上で大切にしているのは、「良い体験をしてもらう」ことです。サービスの利用者、サービス導入企業の人事部、それぞれの立場に合わせた良い体験を提供し、社会に貢献していきたいです。

インテックが目指す共創と未来への展望

── 皆さんの発言から、非常に風通しが良く、活気に満ちた環境であることが伝わってきました。

渡邉 私たちの部所では、上司・部下の立場関係なくアイデアを叩き合う「心理的安全性」の高い環境を非常に大事にしています。会議でもみんな楽しくアイデア出しをしており、のびのびとやらせてもらっていると感じています。

── 今後の事業発展と、個人的な挑戦を教えてください。

渡邉 D&Iのテーマを育児社員からさらにほかの領域に広げていくことです。そして、1から立ち上げたサービスを必ず世の中に認められるものにし、黒字化をやり遂げることがミッションです。個人的には、販売チームにもっと入り込み、一緒に黒字化を目指していくことを挑戦したいです。

白鳥 地域DX事業(人流活用)に加え、社会課題である少子高齢化に対応する「地域の健康推進」といったキーワードで、事業企画に挑戦したいと考えています。チャンスがあればつかみにいけるよう、いつでもストックとしてアイデアを持っておきたいです。

中西 PROTOの筐体を実験段階からお客さまの施設や店舗に常設して活用していただくことを目指します。また、外国語対応など、他社にはない新しい付加価値を付けて、事業として伸ばしていきたいです。個人的には、今持つ社内外のつながりをさらに広げ、当社の新規事業を支える中心的な人物になりたいです。

── 最後に、インテックが目指す、これからの「共創」について教えてください。

渡邉 インテックは富山発祥の企業として、都市部や地方を問わず、日本全国のさまざまな社会課題をITで解決することに取り組んできました。これからも、私たちだけでは解決が難しい課題には、共創パートナーと一緒に取り組むことで解決の糸口を見いだし、パートナーと共に発展していくことも大切にしていきます。
引き続き、産官学など幅広いステークホルダーと共創を継続し、関わる人たちと感動や喜びを分かち合いながら、新規事業の創出と社会課題の解決に挑み続けます。

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